王春工業株式会社 土木工事業(ワークライフバランス)
王春工業株式会社
今回紹介する企業は「王春工業株式会社」です。
王春工業株式会社は、公共・民間土木工事の施工、産業廃棄物処理、不動産事業などを行い地域の生活と交通の基盤を支えている会社です。
今回は、総務部課長の丹羽大輔さんと、自ら育児休業制度を整備したという総務部係長の猪股千鶴さんにお話しを伺いました。
はじめに、丹羽課長にお話を伺います。
-貴社においてワーク・ライフ・バランスにつながる取組を考えることになった、きっかけについて教えてください。
「社長からの『これからは若手社員で考えて、会社を組織的に新しくする意見を挙げてほしい』との言葉より、毎月1回の副部長会議内で、会社を良くするためのアイデアを出していく場ができました。この会議で取り上げられた内容については、その後の取締役会での承認を得れば新たな制度として確立することになります。
また、各副部長はこの会議に備え、所属部員からの希望・要望の聞き取りを日々行っていますので、意見の言いやすい雰囲気の職場になると共に、その希望・要望を叶えていくことがワーク・ライフ・バランスの実現につながっています。」
-具体的にその会議からどのような制度が確立したのか教えてください。
「育児休業制度は約8年前に係長の猪股が中心となり制度化されていたのですが、そのほかの休暇取得を促進する制度や労働時間を削減する制度が新たにこの会議から確立されました。具体的には休暇取得推進のための半休制度や残業削減の取り組み推進です。」
-制度が確立したことでどのような効果が出たのか教えてください。
「半休制度については、有給休暇の取得推進のために制定されたのですが、実際に有給休暇の取得率が上がり社員からも好評です。また、閑散期には積極的に有給休暇を取得することを推奨しており、上司の部長から部下に休みを取ることを提案することで有給休暇を取る社員が増えてきています。
残業削減の取り組み推進については、以前までは自由に認められていた深夜の時間外残業について会社が許可したもの以外禁止としました。それに伴い、深夜残業を行わずとも業務が完遂できるようにシステムのIT化を進め、現場監督が現場作業後に事務所に戻って行う事務処理を、スマートフォンにて現場でも処理可能とし、社員の負担軽減を図っています。
このような制度の確立や、社員の希望・要望の聞き取りにより、社員からは不満が減少し、モチベーションアップを徐々に感じられるようになりました。今後もそうしたことを続けていけば、ワーク・ライフ・バランスの充実により、会社と社員の相互関係が良好になり、会社の発展につながると思います。」
-ワーク・ライフ・バランスにつながる新たな取組みを何か考えていますか。
労働時間を削減し社員の負担軽減を図り、休暇日数を増やしていくことが今後の目標のひとつです。そのため、業務上のノウハウや知識をさらに深めてもらうための勉強会や研修会を今以上に充実させていきたいと考えています。
-いろいろと参考になるお話をありがとうございました。
続いて、猪股係長にお話を伺います。
-先ほど丹羽課長のお話の中で育児休業制度は猪股係長が中心となり制度化されたとのことでしたが、制度化にこぎつけるまでの喜びや苦心などを教えてください。
「これまでの育児休業は口約束でなされていた程度でしたが、それでは安心して子育て・復帰ができないという思いから、制度化に取り組みました。しかし、実際に取り組みを始めると男性社会ということもあり、『育児休業制度なんて必要?』といった雰囲気が少なからずあり、制度を認めてもらえるかといった不安が常にありました。
そのような状況の中、上司や総務部の仲間で協力し、勉強や相談を行うことで8年前に介護休業と一緒に制度化することができました。現在では社員が利用しやすい雰囲気になり制度化してよかったと思います。」
-育児休業制度が制度化されたことで何か変化したことがあれば教えてください。
「私も育児休業制度を利用させてもらったのですが、利用しやすい雰囲気になっており、復帰後も温かく迎えてもらえました。そのような雰囲気であったため私も会社のためになるべく早く復帰し、復帰後も認められるように頑張りました。現在では、定時になると上司が『早く帰らなくていいのか』と声をかけてくれることもあり、すぐに保育園に迎えに行くことができます。子供と一緒にいる時間を大切にして、今は仕事も生活も充実しています。
このように社員のことを考えてくれる会社であるため、私たちも会社のために頑張ろうと思える、相互リスペクトの関係ができたと思います。」
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
★会社概要
会社名: 王春工業株式会社
創立: 昭和3年8月1日
資本金: 1億円
代表者: 代表取締役 加藤 久仁明
事業内容: 公共・民間土木工事の施工、産業廃棄物処理
所在地: 春日井市高蔵寺町3丁目39番地
電話: (0568) 51-0072
社員数: 60名