株式会社中部レキセイ 防水工事業(ファミリーフレンドリー企業登録)
株式会社中部レキセイ
今回紹介する企業は株式会社中部レキセイです。
株式会社中部レキセイは、防水工事を始め、塗装工事や大規模改修工事、外壁補修工事などを行う創業50年の歴史を持つ防水工事の老舗企業です。
今回は、ワーク・ライフ・バランス推進のために行った、ファミリーフレンドリー企業への登録と女性代表者ならではの目線で取り組んだ親しみやすい職場づくりについて、代表取締役の古川さんと担当者の坂口さんにお話しを伺いました。
－本日はよろしくお願いします。
早速ですが、『ファミリーフレンドリー企業』に登録しようと思った、きっかけについて教えてください。
社長「世の中でワーク・ライフ・バランスが重要視されるようになってきた頃、私の中にも、仕事だけの人生でなくてよいのではないかという思いがありました。
ただ、ワーク・ライフ・バランスの解釈として、仕事より私生活を優先することと思っている方がいますが、そうではなく、あくまで仕事と私生活の充実を実現することがワーク・ライフ・バランスの本質であり、その実現のための一歩としてファミリーフレンドリー企業の登録を行いました。
また、ファミリーフレンドリー企業登録時の行動計画目標に、地域の子どもを自社工場に招き工場見学させる『子ども工場見学』や、社員の子どもが保護者の働いている姿を見る機会を提供する『子ども参観日』の実施を掲げたのは、父親はもちろん、増えてきた子育て世代の女性である母親も頑張っている姿を子どもに見せたいとの思いと、創業50周年の節目として一大イベント的な事業を行いたかったからです。
この計画の実施時期については、現在本社を年末から年明け頃に移転する計画を進めており、移転後の新社屋にて実施する予定です。」
－子どもに働いている姿を見せる機会は意外と無いのですばらしい構想だと思います。その姿を見た子どもたちの反応も気になりますね。
社長「子どもの親に対する見方が少し変わるのではないかと思うのです。数年前のことなのですが、毎年行っている安全大会・技術研修会という従業員、委託先の職人さんを集めて行う安全や健康づくりのための研修会に当時中学生だった私の子どもを連れて行き見学させたのですが、会場で講義や調整をしている私の姿を見た子どもが少し照れながら、『母さんも、がんばってるんだ！』と言ってくれたのです。それはとてもうれしいことでしたし、このような経験を他の従業員の皆さんにもしてもらいたいと思いました。」
－ファミリーフレンドリー企業の登録に取り掛かった時期や、登録に際し苦労した点などを教えてください。
社長「ファミリーフレンドリー企業の登録に取り掛かったのは約1年前の平成30年8月頃でした。実際に登録の申請や愛知県とやり取りを行ったのは担当者の坂口なので、本人に話を聞いてみてください！バトンタッチします！」
－では、改めて坂口さんに質問します。
ファミリーフレンドリー企業の登録に際し苦労した点などを教えてください。
坂口さん「ファミリーフレンドリー企業の登録は申請する書類や項目などが非常に細かく規定されていてとても大変でした。そのような状況の中、少しずつ勉強していくことで進めていたのですが、より精度の高いものを作るために愛知県の担当者と直接電話でやり取りを行い、良好な関係を築くことでアドバイスをもらったり、『こういった内容は盛り込めますか？』といった提案を受けたりすることができました。その結果、計画を完成させ登録を受けることができました。」
－困難な課題を達成するためには個人の努力もさる事ながら、人と人のつながりが重要ということですね。
続けて坂口さんに質問します。女性代表者のもと働いていて、女性ならではの視点を感じたことがあれば教えてください。
坂口さん「まず、女性従業員の誰しもが思っていることだと思うのですが、親近感をもって接することができるので些細なことでも相談しやすいですね。それに起因したことかもしれませんが、女性従業員も年々増えてきています。
他にも、社名を変更したり、社屋に大きな絵の看板を取りつけたりしたのも今の社長になってからですね。」
－社名の変更や大きな絵の看板について詳しく教えてください。
社長「社名を変更したのは私が代表者に就任した当時なので約10年前になります。当時は『株式会社中部瀝青』という社名でした。『瀝青(れきせい)』という言葉は老舗の防水工事会社の社名によく使われているものなのですが、一般的ではなく堅いイメージがありました。
またその頃、会社の方向性として個人取引を増やしていこうとしていたので、少しでも親しみやすいカタカナ表示の『株式会社中部レキセイ』に変更することにしました。
大きな絵の看板は、約8年前看板屋さんに絵を描いてもらい社屋と敷地内の外壁に取り付けました。当時の町並みにはカラフルな建物は余り無かったので遊び心として取り付けることを決めたのですが、その頃の従業員は男性が多く、大きく派手な看板を受け入れてもらえるか不安でしたが、驚きながらも受け入れてもらうことができ、現在では会社の宣伝になったり、高校生のインスタスポットになったりしています。
確かに、社名の変更も看板の取り付けも前代表者の父はおそらく行わなかったことだと思うので、女性ならではの視点が出たのかもしれませんね。」
－最後に今後の目標や春日井の企業を盛り上げる為に伝えたいことがあれば教えてください。
社長「会社としての目標は、環境に配慮した事業運営・工法提案に一層力を入れていくことです。
例えば、屋根に遮熱・断熱の塗装を施すことで冷暖房効率を上げ省エネにつながる塗装を提案することや、洗浄に使用する薬品・洗剤を電解水に代えることで環境へ配慮した事業を推進していこうと考えています。
また、具体的なビジョンがあるわけではないのですが、個人の思いとして、私が大学時代児童教育学科を専攻していた中で、親のいないことで困難な状況に立たされている児童養護施設の子どもたちの問題を扱うことがあり、子どもたちのために自分にできることはないかという燻った思いをずっと持っていました。
そのため、身寄りのない子ども達が頼れる組織づくり、地域づくりを社内や地域と協力して実現することが個人的な目標となりました。
今後は、当社でもそのような状況の子どもたちを雇い入れることができるように、想定されるリスクの排除や従業員の理解を得ていき、目標の実現に向け前進したいと思っています。
最後に春日井市の企業を盛り上げるためには、全業種の企業、地域、市役所を含めた全体で協力しネットワークをつくり助け合うことが必要だと思います。これは、私が仕事と子育てに苦労した際、周りの協力を得ることで、ここまで来られた経験からの考えです。
周りの皆さんには感謝しているし、同じ様な状況の人がいれば率先してお手伝いしたいという気持ちは今でも常にあり、市のスケールでも同じように皆が協力し助け合うことで、良いサイクルが生まれ春日井市の企業のみならず市全体が盛り上がるのではないかと考えています。」
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
★会社概要
会社名：株式会社中部レキセイ
創立： 昭和44年6月
資本金： 3,000万円
代表者： 代表取締役 古川 朋美
事業内容： 防水工事、シーリング工事、塗装工事、大規模修繕工事、外壁補修工事など
所在地： 春日井市鳥居松町7-48-3
電話： (0568) 81-2120
社員数： 26名(2019年8月現在)
取材日 令和元年8月7日現在の情報となります。