中京パイプ工業株式会社 銅管の加工抽伸等の製造業(職場環境向上を目指した取り組み)

ページID 1027976 更新日 令和6年1月10日

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中京パイプ工業株式会社

 今回紹介する企業は、中京パイプ工業株式会社です。

 中京パイプ工業株式会社は、主に銅管の加工や抽伸を行い、ガス給湯器や自動車の内部部品を製造する創業63年の歴史を持つ会社です。
 今回は、約17年前に掲げた工場内の環境を良くするための目標『夢工場』。そしてその次のステップへ進むための目標『第二の夢工場』により、従業員の満足度向上を目指す取り組みを掲げた経緯やその想いについて代表取締役社長 山田 晶子さんにお話を伺いました。

代表取締役社長 山田 晶子さん
代表取締役社長 山田 晶子さん

-本日はよろしくお願いします。
17年前に掲げられた『夢工場』について教えてください。

 代表取締役社長 山田さん(以下、社長)「『夢工場』は平成17年に先代の社長(現会長)である私の父が掲げた言葉で、『工場内に“音”がない、“振動”がない、“ホコリ、切粉”がない、“臭い”がない、“油”がない、“熱風”がないこんな夢のような工場(夢工場)が実現できないか?』という思いから始まったものです。
 それから17年ほどが経過し、従業員の努力や取引先からの協力等により、一部の目標は達成され、工場内の環境が良くなりました。その結果、作業中のケガや事故が減少したり、『夢工場』という言葉を知らない人からも工場内環境を褒められたりするなど、夢が現実になっていることを日々感じています。」

 

Point 『夢工場』とは?
 騒音・振動・油汚れ・臭い・ほこり・切り粉のない生産現場(工場)を追及し、夢みたいな工場(会社)を目指すことです。

 

夢工場が現実となり整然とした工場内
夢工場が現実となり整然とした工場内 

-先代が掲げた夢を一つ一つ現実にしているんですね。
『夢工場』が現実に成りつつある今『第二の夢工場』を新たに掲げたきっかけについて教えてください。

 社長「弊社は初代の祖父が事業を起こし、先代の父が事業を拡大し会社を大きくしました。その後社長に就任した私は、曽祖父や父のように何かできることは無いかと考え、従業員に喜んでもらえる会社にしたいという想いをもって事業経営に取り組んでいます。
 例えば、就任当初から毎朝社内を『おはよう』と挨拶しながら回る中で、仕事や家庭での悩み事相談を受けたり、男女間の雇用環境や賃金格差を無くすため、検査作業などの業務で活躍している女性従業員の賃金を男性従業員と同じ水準に引き上げたり、男性従業員への積極的な育児休暇の取得を推進するなど、従業員に喜んでもらえる会社づくりを進めています。
 そのような中、昨年弊社第63期から始まる3か年計画を構築している際、『夢工場』から更に一歩ふみ出し、会社の創立100周年を見据えた新たな夢を描きたいと掲げたのが『第二の夢工場』です。」

 

Point 『第二の夢工場』とは?
  ・給与がたくさんもらえる会社
  ・安定した売上がある会社
  ・顧客満足度が高い会社
  ・従業員の自主性が高い会社
  ・誰もが働きやすい会社
  ・新しいことに挑戦している会社
  ・社会貢献してる会社
  ・従業員もその家族も大切にする会社
  ・共有できる夢がある会社
このような夢みたいな工場(会社)を目指すことを掲げた指針です。

 

-『第二の夢工場』の目標拝見させていただきました。9つの目標が掲げられていますが、どのように目標を定め、どのような取り組みを行っているのですか。

 社長「『第二の夢工場』は、就任当初からの思いである従業員に喜んでもらえる会社を前面に打ち出した内容にしました。理想の会社に向かうためには、一人一人が目標を見据え一歩をふみ出すことが大切だと考えており、『第二の夢工場』を打ち出すのと同時に開始した3か年計画のスローガンにも“さあ、一歩ふみ出そう”というシンプルで分かりやすいものを掲げ、皆が目標に向け一歩ずつ進んでいけるような目標を掲げました。
 取り組みについては、まだ『第二の夢工場』を掲げたばかりで行っていることは少ないのですが、従業員との面談を定期的に行い、それぞれの好きなものや、やりたいことを聞き取り、一歩ふみ出すための情報収集をしています。
 また、弊社は以前から従業員教育や福利厚生に力を入れており、社内にある安全道場によるロールプレイング形式での安全研修や資格取得費用の全額負担、社員旅行・忘年会費の補助、年末の大掃除後にお餅を配るイベントの開催など従業員に喜んでもらえるような取り組みを行ってきました。このような既存の取り組みについても、常に改善の意識を持ち従業員に更に喜ばれるように見直しを行っています。」

年末のじゃんけん大会の様子(写真は新型コロナウイルスが発生する以前のものです。)
年末のじゃんけん大会の様子(写真は新型コロナウイルスが発生する以前のものです。) 

-『第二の夢工場』実現に向けてこれから盛り上がっていくのが楽しみですね。
 『第二の夢工場』を掲げた際の周囲の反応はどのようなものでしたか。

 社長「『夢工場』の時からも言われているのですが、取引先のお客様から『夢工場という言葉にインパクトがあり、皆さんで目指すビジョンとして分かりやすくていい目標ですね』とお褒めのお言葉をいただいています。
 従業員からは、チャレンジしたいことや職場の改善点などの具体案が出てきています。例えば、『銅管の加工技術を使ってオリジナルのキャンプ道具を造りたい』や、『安全研修に工場内の危険な箇所を実際に回るツアーを導入したい』などです。
 社外の方から褒められるのも、もちろんうれしいのですが、従業員から積極的に意見が出てくることがとても嬉しく会社が一体となって『第二の夢工場』を目指していることを実感しています。」

 

-では『第二の夢工場』を現実にするために今後取り組みたいことの構想があれば教えてください。

 社長「まだアイデアの段階ですが、従業員の家族の方にお父さんやお母さん、妻や夫がどんな仕事をしているのかを知ってほしいので、従業員の家族を職場に呼ぶ家族参観日を実施してみたいです。
 普段家族が働いている姿を見る機会は少ないと思うので、活き活き働いている姿を見に来てもらうことで従業員のモチベーションアップにも繋がると思いますし、家庭での話題の一つになると思います。
 その他には、地域との連携を深めるために、市内の学校に出張し企業講話を行いたいです。昨年の11月に『中部大学・春日井商工会議所 企業・学生間交流協働授業』に参加し中部大学の学生さんたちと関わる中で、新たな発見や良い刺激を得ることが出来たので今後も同様の活動を行いたいとの思いが強くなりました。」

 

-最後に、春日井市を盛り上げるためにPRしたいこと伝えたいことがあれば教えてください。

 社長「弊社は『皆様の幸せをパイプで繋ぎます!』をモットーに、これまでにお話したこと以外にも繋がりを作るための取り組みを行っています。
 例えば、多くの方に会社の名前を知ってもらいたいとの思いから、インターンシップの受け入れや中部大学でのモグジョブ(学生とランチをしながら企業内容を紹介する事業)などに積極的に参加したり、従業員の特技をPRしたいとの思いから、漫画が得意な従業員が書いた作業エリア看板を工場内に設置したりしています。
 このような取り組みを通じて、従業員の物心両面の幸せ、取引先様との信頼関係、地域社会への貢献をパイプで繋ぎ、皆様を幸せにすることで春日井市全体を盛り上げていきたいです。」

従業員の方が描いたユニークな作業エリア看板
従業員の方が描いたユニークな作業エリア看板 

-従業員やその家族を大切にし、楽しい会社を目指すための『第二の夢工場』本当に素晴らしいと思います。
数年後、夢が現実になった際にはまたお話を聞かせてください。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。

 

★会社概要

会社名:  中京パイプ工業株式会社
創立:  昭和35年
資本金:  3,000万円
代表者:  代表取締役 山田 晶子
事業内容: ガス機器用銅管加工、自動車真鍮管抽伸加工
所在地:  春日井市追進町2丁目38番地
電話:  (0568) 31-7161
社員数:  85名(2022年3月現在)(派遣社員等含む)
平均年齢: 約41歳

 

中京パイプ工業株式会社 外観
中京パイプ工業株式会社 外観 

取材日 令和4年3月16日現在の情報となります。

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電話:0568-85-6240
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