株式会社安藤紙器 段ボール箱製造業(事業承継とワークライフバランス)

ページID 1032443 更新日 令和6年1月10日

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株式会社安藤紙器

今回紹介する企業は、株式会社安藤紙器です。

 株式会社安藤紙器は、昭和40年に創業し令和6年に60周年を迎える、ダンボール箱の製造販売を行う会社です。
 今回は、株式会社安藤紙器の三代目の社長である代表取締役 竹内 圭子さんに、先代から事業を引き継いだ経緯や後継者育成方法、次世代を担う若手社員の採用方法についてお話を伺いました。

『株式会社安藤紙器』 
『株式会社安藤紙器』

-本日はよろしくお願いします。
 先代から事業承継を行い、社長に就任した経緯や経営者として必要な知識をどのように習得していったかを教えてください。

 代表取締役 竹内さん(以下、社長)「新たな視点を取り入れ、会社の経営をより良いものとするために、令和2年に先代の兄から事業を引き継ぎ代表取締役に就任しました。もともとは営業や経理を行っていたので、仕事の流れは理解していたのですが、事業引き継ぎの準備期間をあまり設けていなかったので、就任直後は分からないことが多く、社長になってから経営者としての勉強に取り組んでいました。
 取り組んだ勉強方法については、春日井商工会議所さんが実施する勉強会やセミナーに参加したり、他の会社の社長さんに経営についての話を伺ったりと、いろいろな方法で勉強をしたのですが、特に印象に残っているのは、社会保険労務士の先生から伺った会社の福利厚生の話です。福利厚生は、会社の事業内容に関わらず全ての会社に関係する話であり、いつも頑張って働いてくれている社員のために非常に重要な内容であると感じました。」


-経営をしながら勉強し、社長としての力を身につけられたのですね。
 福利厚生について学ばれたことが印象深いとのことですが、社長就任後、社員の働きやすさ追求のために取り組んだことがあれば教えてください。

 社長「もともと『社員ファースト』でホワイトな会社を作りたいとの思いがあり、社長への就任をきっかけに、簡単なことから設備投資に関わる大きなことまで社員のために多くのことに取り組んできました。
 まず、すぐに取り組めることとして、社内の休暇状況を明確にするため、会社の年間予定カレンダーを工場内に張り出し休みの状況を共有化するとともに、社員のジョブローテーションを3か月ごとに行い、誰が休んでも助け合える体制を作りました。
 これにより、以前は有給休暇をほとんど取得していなかった社員も定期的な有給休暇の取得が可能になり、また、令和2年中には男性社員が2名も育児休暇を取得することができました。」

『工場内に張り出された年間予定カレンダー(これに基づき社員が休暇の計画などを立てているとのこと)』 
『工場内に張り出された年間予定カレンダー(これに基づき社員が休暇の計画などを立てているとのこと)』

-社員さんのリフレッシュのためにも休暇の取得推進は大切な取組ですね。社員さんのために行った設備投資に関わる取組について詳しく教えてください。

 社長「社員の働く環境を整えるために、作業スペースを見直し、ダンボール箱の在庫を保管する倉庫を新たに設置しました。
 弊社が製造しているダンボール箱は大きなものが多く、以前は作業する工場内に在庫を置いていたため、工場内は非常に狭く、また、始業とともに在庫を別のスペースに移動させ、終業時に工場内に戻すといった無駄な移動を行っていました。
 大きく重いダンボール箱を運ぶのは社員の手を痛めるなど、ケガのリスクにも繋がり、また、移動させる労力や作業時間を考えたとき、費用は掛かるものの新たに倉庫を新設した方が社員やコストにおいてプラスになると思い、倉庫の設置を決意しました。
 その他にも、若い社員が多いため、その若い感性に合うように最新のダンボール箱製造機械を導入するなど、社員がわくわくしながら働けるような環境の整備に力を入れています。」

『在庫置き場として新設した倉庫』 
『在庫置き場として新設した倉庫』
『最近導入したダンボール箱製造機械』 
『最近導入したダンボール箱製造機械』

-社員さんの働きやすい環境を整備するために設備投資まで行ってしまうなんてすごいですね。
 次に後継者育成についてお話を伺いたいのですが、ご自身が事業を引き継いだ経験を基に行っている後継者の育成方法はどのようなものですか。

 社長「後継者は私の甥になるのですが、甥は私が社長に就任した際、私の下で働きたいと言って入社しており、やる気に満ち溢れています。そのため、甥にはきちんと事業を引き継ぎたいと思い、私の時の反省点を活かし、準備不足となることのないよう、しっかりと準備期間を設け、10年後の世代交代をめざしています。
 現在は、全ての仕事を覚えるために、現場での作業に従事し、その後社長の補佐として事務作業を行ったり、取引先を回ったりして事業内容の把握や取引先との関係性の構築を行っています。
 また、経営の知識を身につけるために勉強会やセミナーにも積極的に参加させています。10年後、立派になった甥がこの会社を引っ張って行く姿を見るのが今から楽しみです。」

-事業承継は1年2年では難しいと言われているので、長い期間をかけて後継者を育成することが今後の会社の成長のために必要なことなんですね。
 先ほど若い社員が多いとの話が出ましたが、人材の確保が難しい中、若手の人材を採用し続けている秘訣などがあれば教えてください。

 社長「人材確保についてですが、弊社は先ほどお話したように、良好な人間関係で社員が気持ちよく働ける環境を作るためハード面、ソフト面ともに常に改善をしており、その結果、今のような笑い声や話し声が常に聞こえる明るく活気のある職場になっています。
 そのような環境であるためか、社員がうちの会社で、自分の友人も雇ってほしいと紹介してくるケースが多々あり、若手社員が増えています。新たに入社した社員の友人たちは、元の会社の労働環境が厳しかったところが多いためか、今の環境を喜んでくれており、一日でも早く戦力となれるように毎日元気に働いてくれています。」


-特別な求人活動をしたわけではなく、働きやすい環境を整備してきた安藤紙器さんだからこそ、若手の人材が集まってきているんですね。
 では次に、今後チャレンジしたいことや目標などについて教えてください。

 社長「社員の福利厚生をもっと良いものにしたいと考えており、社員からもいろいろとアイデアを聞いたりしています。例えば、日中の汗を流すことや健康を維持するために事務所の2階にシャワー付きのトレーニングルームを作る計画や、社員やその家族を含めたレクリエーション企画としてハワイ旅行をするなどです。
 まだ具体的には動き出せてはいないものの、今後の目標としてこれらを実現させていきたいので、今は売上を上げていくことに力を注ぎ、営業活動や新規商品の開発などを頑張っています。」


-福利厚生を充実させるために会社全体で頑張っているのっていいですね。
 最後に、今後春日井市を盛り上げるために他の会社に伝えたいことやPRしたいことを教えてください。

 社長「この会社を引き継いだ時の思いである、『社員ファースト』という考えを全ての会社が持てば、大抵のことが順調に進んでいくと思います。
 社員のみんなが働いてくれているから会社が存続できており、全て社員のおかげという思いで毎日過ごしています。みんながいてくれるから、みんなのおかげ、そのような考えでいれば自然と『社員ファースト』な会社が出来上がっていきます。春日井市が『社員ファースト』な会社で溢れるような街になるといいなと思っています。」


-本日はありがとうございました。

社長へ誕生日プレゼントを渡した際の1枚
社長へ誕生日プレゼントを渡した際の1枚 
楽しいレクリエーションでの集合写真
楽しいレクリエーションでの集合写真 

★会社概要
 会社名: 株式会社安藤紙器
 創立: 創業 昭和40年4月20日 法人設立 昭和50年4月21日
 代表者: 代表取締役 竹内 圭子
 事業内容: ダンボール箱の製造販売
 本店所在地: 春日井市西高山町2丁目15番地11
 電話: 0568-31-4337
   社員数: 18名(男性:9名 女性:9名)(令和5年6月現在)
 平均年齢: 約33.5歳

取材日 令和5年6月28日現在の情報です。

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