平成30年度第3回春日井市上下水道事業経営審議会議事録

ページID 1015976 更新日 令和6年1月10日

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1 開催日時

平成30年12月14日(金曜日)午後2時から午後4時5分

2 開催場所

市役所南館4階 第3委員会室

3 出欠席者

出席者

役職 所属等 氏名
会長 中部大学 磯部 友彦
副会長 椙山女学園大学 齊藤 由里恵
委員 税理士法人鈴木合同会計事務所 鈴木 直樹
委員 公認会計士 香田 浩一
委員 春日井商工会議所 山田 真平
委員 春日井市婦人会協議会 時田 加代子
委員 春日井市区長町内会長連合会 稲垣 増弘
委員 公募委員 笹倉 久夫
委員 公募委員 矢島 洋子
事務局 上下水道部 部長 小久保 健二
事務局 上下水道経営課 課長 丹羽 教修
事務局 課長補佐 橋本 瑞穂
事務局 課長補佐 荻原 安希代
事務局 主査 笹田 順一郎
事務局 主査 加藤 京子
事務局 主任 木村 弘
事務局 主事 高木 秀彰
事務局 上下水道業務課 課長 池田 輝嘉
事務局 主査 三宅 伸平
事務局 下水建設課 課長 大橋 欣也
事務局 主査 小林 剛士
事務局 浄化センター 所長 木全 敦彦
事務局 主査 服部 剛義
事務局 主査 加藤 顕士

欠席者

役職 所属等 氏名
委員 株式会社サンデリカ 島田 邦和

傍聴者

なし

4 議題

(1)経営健全化の取組について

(2)投資試算について

(3)財政試算について

(4)その他

5 会議資料

6 議事内容

(1)経営健全化の取組について

磯部会長
議題(1) 経営健全化の取組について説明を求める。
笹田主査
資料1ページから3ページに基づき説明
矢島委員
資料1ページに平成29年度接続促進活動件数2,925件とあるが、促進活動の結果どの程度下水道へ接続してもらえたのか。
笹田主査
平成29年度は2,925件訪問し、314件下水道へ接続してもらえた。
笹倉委員
下水道の未接続は全体の何パーセントなのか確認したい。
池田課長
接続率は96.05パーセントとなっており、71,161件下水道へ接続しており、2,925件未接続となっている。
笹倉委員
下水道の接続率向上に向けての対策は必要だと考える。下水道の未接続による罰則規定はあるのか。
池田課長
下水道の接続については、汲み取りの場合は下水道法で3年以内の接続を義務付けている。浄化槽の場合は、春日井市下水道条例施行規程で1年以内に行うものとしている。どちらも罰則規定はないが、汲み取りの場合は、改造命令を出せる。
齊藤委員
改造命令を出したことはあるのか。
池田課長
ない。全国的にも数件程度しかない。家屋所有者が高齢なことや資金面の不足、新たな浄化槽を設置したばかりなど個々の事情があることから、改造命令や規程厳守で切替依頼を行うことは難しい。
齊藤委員
資料1ページにある経営基盤の強化について、適切な使用料の徴収について記載がないが、前回、市から下水道事業の運営に掛かるコストに対して料金を100パーセント徴収していないと説明を受けた。経費削減も必要だが、適切な使用料を求める必要があると考える。
加藤主査
今後の取り組みの部分で適切な使用料体系の検討について記載する。
時田委員
資料2ページにある、マンホール間隔の検証とはなにか。
大橋課長
マンホールは、点検などの維持管理を行う上で必要であり、下水道管100m程度の間隔でマンホールの設置をしているが、下水道管が道路形状と合わせて下水道管を歪曲させなければならない場合、下水道管が直線なため、道路形状に合わせてマンホールを数か所設置することがある。これを曲線の下水道管に変更することでマンホールの設置箇所を減らし、事業コストを抑えている。
時田委員
資料2ページにある、効率的整備について、区画整理済の区域で浄化槽を新たに設置している家屋が下水道へ接続することは難しく、資料1ページにもあった未接続家屋へつながると考える。区画整理と合わせて下水道整備を進めていくか区画整理をしていない区域を整備した方が良いのではないか。
大橋課長
市の下水道整備は平成29年度までは区画整理済区域を整備してきたが、平成30年度から人口密度等も考慮して区画整理を行っていない春日井駅の南側にある上条地区を整備している。
時田委員
区画整理済区域を改めて下水道整備すると費用がかかるのではないか。
大橋課長
再度舗装を行う分コスト増につながる面はある。
笹倉委員
資料2ページにある、維持管理の効率化について、浄化センターの上部で太陽光発電はできないか。また、資料3ページにある、お客様サービスの向上について、スマートメーターにて検針を行う若しくは、スマートメーターの設置が難しいようであれば、2か月に1度の検針を4か月に1度に変更することで、経費削減につながるのではないかと考える。また、その他として、下水道の整備予定区域については、区画整理と合わせて、主要な管渠だけでも布設することで、経費削減につながるのではないかと考える。
池田課長
スマートメーターについては、初期投資が大きいことから費用対効果について、また、今後の技術面の進展を考慮しながら検討を進める。また、検針頻度については、検針員にて漏水調査も含めて行っていることから、検針期間が空いてしまうと漏水の被害があった場合、影響が大きくなってしまうことや料金の面でも1度に負担する金額が増えてしまうことから難しい。今後の検討課題とする。
笹倉委員
1度に負担する金額を増やすわけではなく、毎月定額で支払いを行い、半年若しくは1年で使用料の調整を行い、精算をする考え方である。
加藤主査
短期間の滞在者への使用料徴収や、精算するための費用を捻出することが難しい。
齊藤委員
使用料の精算はコストがかかるため難しいと考えるが、スマートメーターの設置など色々なアイディアを取り入れる中で市の実情に合わせて検討する必要があると考える。
香田委員
2点確認させて欲しい。1点目については、資料2ページにある民間活用について、市ではどのような検討を行っているのか。2点目についてはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用の可能性について教えて欲しい。
橋本補佐
1点目の民間活用については、浄化センターにおいては一部、包括的な維持管理業務委託を行っているが、浄化センター運転管理全体の包括的委託については費用対効果が得られないとの過去の検討結果により、実行に至っていない。2点目のRPAについては、パソコンの中にあるソフトウェア型のロボットが代行・自動化するものが、浄化センターの維持管理や事務の自動化に利用できるか今後の課題として検討を進めたい。
山田委員
下水道未接続家屋が2,925件の内、314件接続したとのことであるが、まだ未接続があると生活用水が側溝に溢れてしまい、悪臭がする。苦情を原因者に直接訴えることも隣近所の関係では難しい。上下水道部だけでなく生活環境を保持していくうえで市全体として考え、市民にも認識してもらう必要がある。下水道事業の効果と必要性等を市民に対して更に啓発活動をする必要がある。
池田課長
下水道未接続家屋に対して、毎年全件必ず訪問し、下水道接続によるメリットや必要性等を説明し下水道接続促進の啓発活動に努めている。近所での苦情については職員が原因者を直接訪問し、接続依頼等を行っている。

(2)投資試算について

磯部会長
(2)投資試算について説明を求める。
笹田主査
資料4ページから5ページに基づき説明
齊藤委員
資料4ページ、5ページに年号が元号として表記されているが、括弧書きで西暦も併記してもらえないか。
加藤主査
次回以降の資料は併記する。
磯部会長
資料5ページを確認すると、前回の審議会にて審議した3処理区を2処理区へ統合すると南部浄化センターの増築をしなければならないが、30年間の投資を考えると全体の費用が下がることがわかる。これについて何か意見はあるか。
鈴木委員
資料5ページのグラフは元号14年以降の2処理区統合案の方が3処理区存続案と比べて投資額が低くなっているが、これは南部浄化センターから高蔵寺浄化センターまでの接続管の工事が「南部浄化センターの増設費用94億円」の中に入っていることで、下水道の整備範囲を広げるための管の工事が一部不要となることから費用が下がっていると考えて良いか。
笹田主査
費用が下がっている理由は2処理区へ統合した場合、浄化センターの機械設備等の更新が、減るためである。
鈴木委員
南部浄化センターから高蔵寺浄化センターまでの接続管の工事をすることにより、下水道の整備範囲を広げるための管の工事が一部不要となることから費用が抑えられると考える。このことについて、考慮しているのか。
笹田主査
考慮していない。下水道の整備範囲を広げるための工事は同等の費用が掛かると考えて試算している。
磯部会長
資料5ページのグラフは管の工事費用については同程度と考え、処理場に関する費用については、浄化センターを2つにしたことで機械設備の更新や施設整備にかかる費用が抑えられるという意味か。
笹田主査
お見込みの通り。
丹羽課長
3処理区を存続すると、下水道整備を広げるためには、上条地区まで整備してある幹線を延ばす必要がある。これは、建設改良費になるので、考慮しないと単純比較にならない。この幹線について、考慮すると差がさらに増える。
矢島委員
費用削減効果が50億円とあるが、第2回で提示された浄化センターの在り方検討比較時の削減金額の中にはこの金額は含まれているのか。
笹田主査
含まれている。
丹羽課長
2浄化センターの接続管を布設することにより削減できる幹線が考慮されていないので、グラフについて再度作成し、次回提示する。
香田委員
管の更新についても費用を計上する必要があり、管の更新時期についても経営を立て直す目安になると考える。老朽化した管は入れ替えを行うのか。
笹田主査
管については、入れ替えではなく順次カメラ調査を行い、状況に応じて内面の補修、更新を行う。これについては継続的に費用を計上している。

(3)財政試算について

磯部会長
(3)財源試算について説明を求める。
加藤主査
資料6ページから14ページに基づき説明
矢島委員
類似団体と比較して経費回収率、使用料が低いというのは何か理由があるのか。
加藤主査
類似団体と比較して使用料は低いのは確かだが、近隣市町村が全体的に低い状況となっている。また、水道事業の料金改定を優先的に行ったことなどの背景があり、改定が難しい状況であった。
笹倉委員
資料6ページにある有収水量が横ばいとなっているが、高齢者や単身者が増えていく中で使用量が減ることから、有収水量は横ばいではなく減少と見込むべきではないか。また、使用料について、標準家庭でどの程度の使用料となっていて、改定によりどの程度値上がりするのか具体的な数字を示して欲しい。
加藤主査
人口減少や少子高齢化の影響により、整備済みである水道事業の有収水量は下がる傾向にある。しかし、下水道事業については、これから整備を広げていくことで使用者が増えることから、有収水量が微増となる見込みである。使用料体系については、次回の審議会にて具体的な数字を示す予定。
山田委員
下水道事業に限らず、春日井市全体の財政を考えた場合、黒字となっているのか。
小久保部長
黒字である。
山田委員
下水道事業などのインフラ整備では収入を上げることは難しいと考える。企業誘致などで税収を上げ、それを下水道事業等に補填するなど、市全体としての運営を考える必要があるのではないか。
小久保部長
当市の下水道事業は企業会計となっており、事業の経費は使用料により賄うべきという独立採算を原則とされている。しかし、適切な使用料体系とともに、どの程度税金により補填するべきかということも、今後審議会にて議論していただきたい。
鈴木委員
現在、有収水量1立方メートルあたりの汚水処理費用が180円と説明されたが、使用量が増加すれば汚水処理原価を下げることができると考える。
問題となっている汚水処理原価150円に対して、現在は使用料を100円徴収していて、赤字分は差額の50円ということだが、使用料を150円に増額しなければ収支ギャップは埋まらないということか。
加藤主査
お見込みの通り。
鈴木委員
大手企業を誘致して、使用量を飛躍的に増やせば、1立方メートルあたりの汚水処理費用を150円以下に減少させることができるのではないか。
加藤主査
汚水処理費用180円を30円以上削減し、150円以下にすることができれば、使用料を150円まで増額せずとも収支ギャップの解消は確かに可能ではある。しかし、現状では30円の経費削減は約6億円の維持管理費のコストカットが必要であることから、非常に厳しい。
鈴木委員
そうなるとやはり使用料を150円まで上げなければ、収支ギャップは解決しない。
加藤主査
経営努力による経費削減は現在、基準内繰入金の対象とされている分流式下水道に係る経費に当たる150円以上の部分の縮小、例えば180円の単価が178円に下がるという形にしかつながらないため、経費回収率100パーセント、つまり赤字を0にすることを目標にすると、150円徴収する必要がある。これはおおよそ50パーセントの値上げとなるが、住民負担や昨今の先進市の事例を検証し、経費回収率の目標をどうするのか、使用料の仕組みや体系も含めて次回の審議会にて御審議いただきたい。
齊藤委員
今まで使用料を上げてこなかったことが問題の1つである。春日井市は汚水処理原価が類似団体と比べて高いわけではなく、経費回収率が低いということは、使用料を適切に徴収していないといえる。国の制度や、公営企業のソフトバジェット化も背景にあると考えるが、次回の審議会にて改めて議論したい。
山田委員
審議会として約50パーセントの値上げをすることとして市長に答申するかは慎重に議論したい。
磯部会長
公営企業には独立採算の原則のある中で、一般会計で赤字補填することに関して、一番重要なのはどこまでを受益者負担とするかの観点である。
笹倉委員
市民からすると下水道使用料も税金と同等と考えられ、税金も支払い、使用料も支払うことは二重払いという感覚になる人もいる。近隣市の状況等を鑑みて、小口、大口使用者それぞれに対して公平な使用料の改定を検討できないか。
加藤主査
一般会計からの繰入金については、従来、下水道整備を始めまちづくりを使途とする都市計画税が原資とされているが、適切な下水道使用料を徴収せず、不足分を税金で賄うということは、独立採算の原則に反し、また、下水道が未整備であり恩恵を受けていない市民の方々の税金を充てているということになるため、補填理由を明確に説明する必要がある。
使用料体系の見直し、プランに関しては、次回の審議会にて資料を提示する。
齊藤委員
下水道整備に対しては既にかなりの公的支援があり、国からも、税金である一般会計からも資金が充当されている。公的資金で整備し、維持管理に関しては基本的に受益者で負担するという形になっているため、二重払いにはなっていない。市内には、公共下水道だけでなく浄化槽の地域もある中で、市民からの会費とも言われる一般財源を一部の対象者に充てることは公平であるのか。使用料改定は確かに市民の負担増となるが、他市の状況も明確にした上で適切な使用料について検討する必要がある。
磯部会長
下水道事業に対してどこまで使用者のみが負担するべきなのか。適切な使用料体系、改定時期及び方法や改定までのやりくりについて、次回議論する。

(4)その他

丹羽課長
特になし。
磯部会長
議題は以上であり、これをもって、審議会を終了する。

上記のとおり第3回春日井市上下水道事業経営審議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び副会長が署名及び押印する。

平成31年2月7日      

会長 磯部 友彦
副会長 齊藤 由里恵

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電話:0568-85-6406
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