平成22年度第2回春日井市いじめ・不登校対策協議会議事要旨
1 開催日時
平成23年3月2日(水曜日) 午後3時から午後5時
2 開催場所
教育委員会室
3 参加者
- 委員
小澤 惠
武藤久枝
澤田孝子
山下尚美
澤村純雄
松山栄司
榊原典子
横井由紀夫
細川俊博
大柳勝美
恩田敏久
梶田久忠
落合まゆみ- 教育長
木股哲夫
- 事務局
纐纈伸二
岡田尚之
4 議題
平成22年度事業報告
5 会議資料
6 議事内容及び決定事項
- 平成22年度 いじめ・不登校対策協議会事業報告
ア 事務局事業報告
イ 具体的活動報告 小・中学校スクールカウンセラー、市いじめ・不登校相談室、適応指導教室指導員より
- いじめ・不登校についての状況報告及び意見交換
- 本校の生徒数は300名程度各学年100名です。いじめの根絶に関しては教師の意識は高くなっていると思いますが、まったくなしというにはなかなかなりません。なんといってもの教師と生徒の人間関係が大切。信頼関係が成り立てばいじめについての情報をつかむことにつながると思います。不登校については、1年生2年生で4~5名。3年生は10名を超える。なかには、学校へ通うことへ意義を感じない家庭もあります。朝両親が子どもに食事もさせない。家を送り出せない家庭も増えているようです。少しでも、学校へこれるように、行事があるときなど積極的に声をかけたい。また、3年生は進路のことがあるので、目的をもつ良い機会だと思う。あすなろ教室には、現在1名の生徒がお世話になっている。ニュータウンからあすなろ教室へ通うのは大変だと思うので、もう少し近いところへ、不登校児に対応できる場所が必要だと思う。また、学校の適正規模の会議に出て思うのだが、小学校の6年間を1クラスで過ごした子どもたちが、中学1年生で急に多クラス編成になり、中学校生活になじめないことも考えられるので、いろいろ小学校とも連携をしなければならないと思う。
- 新入生の説明会で、こんな話をしました。今の子どもたちは、大変大切にされています。もちろん大切に育てることは当たり前のことです。しかし、大切にされすぎてがまんができない子が多い。自分の思いどおりならないとその場でおしっこを漏らす子もいます。自分の好きなことはやる、嫌いなことはやらないという子もいます。嫌いなことに挑戦しないことでは、学校教育の場ではいろいろ支障がでますね。学校では、どんな小さな事でも、全職員で情報交換し、チーム対応を呼びかけています。社会が不景気で保護者の方の長時間労働やストレスも子どもたちに与える影響は大きいと思います。今後、親の子育て相談も学校が受け皿になっていく必要性がありますね。
- 数字的なことはよく理解できた。実際に保護者・市Pとして何ができるかが大切である。学校から学校としての意見をいただき、保護者からは学校と何を協調していったらよいのか。学校で教師がどんな対応しているのかなど、お互いに情報交換したい。
- 市P連では、年4回母親委員会を開催し情報交換をしています。その中の話題で気になったことがあります。それは、親の都合や家事の関係で、学校休ませている家庭があるということです。また、担任以外の先生の対応も必要な場合が多々あるように思います。また、PTAの活動に携わって、親同士が顔見知りになるということが非常に大切だと言うことがわかりました。そのためには学級懇談会は大切な場であるといえます。
- 最近自分を大切にできない子どもたちが増えているように思います。春日井市の養護教諭会では、自己肯定感について研究を進めています。その中で、学年があがると自己肯定感が下がってしまうことや中2の自己肯定感が低いことがわかっています。だから、「命の学習」を重点において指導をしています。
自分の学校では、不登校が一人います。学校がどう働きかけても改善されません。迎えに行っても登校できません。家族の関係で子どもが自分一人でごはんを食べている家庭が増えているように思います。若い教師が今後増えていくなかで、それらの問題にも対応できる研修が必要であると思います。 - 子どもとどう接したらよいか、いつも考えながら親のカウンセリングをしています。母親が自分のことを考え悩むことにつきあいながら自分の生き方を見つめ直すには、個人差はありますが、かなりの時間が必要です。ほとんどの相談は母親で父親の相談は少ないです。今、育メンがさわがれていますが、家庭に母親が2人では困ります父親の役割、母親の役割をそれぞれの家庭で果たすことが大切です。今の子どもたちはいじめは絶対にいけないことと教育されています。だから、相手とぶつかることなく、自分一人で悩んでいる子がいます。自分の意見をしっかりもてないので自分自身に自信がもてないのです。
あすなろ教室の子どもたちを見ていますと、はじめ自信がなく下をみていた子がだんだん顔をあげて自分らしさを取り戻していく様子がわかります。あすなろという場所で、一度立ち止まって、人として認められていると安定を取り戻すようです。また、あすなろ教室はニュータウンから遠いのでもう一つ適応指導教室が新設されることを望みます。
小学校の職員室では、「あの子どうなったんだろうね」という言葉を聞きます。卒業後も、小中の連携がとれるとよいと思います。それから認字障害という障害があることを知りました。3Dのように字がみえるようです。だからどれだけ努力しても漢字の小テストは、半分とるのがやっとです。努力しても挫折感を味わってしまう。だから不登校になった子どももいます。また、不登校の子どもをもつ親の中には、学校が自分の子どもを忘れているのではないかと不安になっている親もいます。定期的に連絡をとり連携することが大切ですね。 - 発達障がいはだいぶ理解が得られたと思います。小学校では、虐待とまでは行かないですが、親の都合で食事の世話をしている家庭をみました。家でがんばって家事をやっていますので、学校でボーとしてしまうこともあるようで、学習について行くのが大変になって、不登校になってしまうケースがありました。また、子どもがゲームが大好きで、深夜までゲームをやって次の日の朝が起きることができなので不登校になるケースも経験しました。この家庭では、お父さんもお母さんもゲームが大好きで、なかなか家庭生活の改善がなされませんでした。こういったケースを経験して、子育てをする親の教育の大切さを痛感しました。
- プレゼンをみて、不登校が減少していることがわかりました。いじめ不登校相談室では2月末での相談件数は、昨年度より90件増加しております。また、マスコミからの情報ですが、不登校は全国で13万人、そのうえ引きこもりの成人が相当な数いるとのことで、本当にその数の多さにびっくりしています。
ある日突然子どもが不登校になり親が悩みます。電話相談の対象になる家庭では、1年も2年も不登校で、自分の部屋からもでてこない家庭もあります。どの家庭にも特効薬はありません。その原因となっているベールを1枚ずつはがしていくことが大切です。
ネット依存という言葉がありますが、こんな事例を経験しました。専門学校に入学がきまっているが昼夜逆転しているので新学期から登校できるか心配だということです。
先ほど自己肯定感の話がありましたが、それにこのネット依存にも共通したことがあります。ネットゲームでは、チャット仲間から尊敬されている。ゲームの中では現実の世界と違い強い正義の見方です。学校生活や家庭では味わうことができないものがネットゲームの中にあり、みんなから尊敬され自己肯定感を仮想現実の中で味わうことができる。つまり、そこに自分の居場所がある。現実の世界に自分の居場所をみつけなければいけないのですが、昼夜逆転の生活のリズムがかえられるか、いろいろの人の力が必要になると考える。 - この3年間で県の電話相談の件数は減ってきたと思います。その原因の一つは、市町の相談活動が充実してきたことがあげられると思います。家庭の教育の向上が必要であるという意見がさきほどありました。県も家庭教育に関する研修会を実施しています。また、不登校対策として大学生のホームフレンド制を来年も継続して実施する予定です。さらに、家庭教育相談員の名称を家庭教育コーディネーターとしていきますのでよろしくお願いします。
- いじめ・不登校の関係者のお話を聞いていろいろ参考になりました。教育の限界を超えて、法的に犯罪となった場合は警察の出番です。いろいろな子どもと接していますが、大事件を引き起こし自分のやったことを冷静に反省すると泣いて謝っているのに、一度怒り出すと手をつけられない子もいます。今後もいじめや不登校の中に犯罪はないか、学校と協力していきたいと思います。
- 今年度民事人権侵犯事件として1件取り上げました。各学校への取組としてはSOSミニレターの取組をおこなっています。近隣4市で128件ミニレターがありました。内容は、学校での友だち関係、宿題はどうやったらよいかなど多岐に渡っています。中には4回も手紙のやりとりがあった事例もありました。いじめや不登校の相談窓口の一つとして、解消の一手段になればと思います。また、親からの虐待をSOSミニレターでキャッチしたこともありますのでよろしくお願いします。
- ひまわり相談の最近の様子をお話しします。その1は、小学校の高学年から中学生が多くなった。その2は、他の医療施設に受診しながら、ひまわり相談も併用していく場合がみられるようになった。その3、いろいろな原因が複雑にからんでいるので、なかなか1回では終了しないケースが増えたということです。今日の情報交換で子どもたちの様子を聞いていると、社会性の発達の問題、ストレス耐性の問題、ぶつかることさけて自分のからに閉じこもる問題などなどいろいろあるなと思いました。子どもたちの自己肯定感の問題は大切な問題だと思います。小学生については、障がいなのか、育て方なのか考えていく事が大切でし、その対応を考えることが急務です。
- いじめや不登校は現場で起こっていることなので、各専門家からの助言が必要になると思う。子どもたちのこういった問題を事務局と市Pがコラボして何かよい企画はできないものか。子どもの問題は家庭では、毎日のことなので何か力になることを考えていくことが大切だと思う。
春日井市いじめ・不登校対策協議会
委員長 小澤 惠
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