令和2年度第2回春日井市いじめ・不登校対策協議会議事要旨
1 開催日時
令和3年2月19日(金曜日) 午後3時から午後4時
2 開催場所
文化フォーラム2階 文化活動室
3 参加者
- 委員
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願興寺礼子
若杉祐子
亀井友則
森 尚子
小原正彦
伊藤治彦
伊藤 仁
秋田真一
兼子敦子
古居 隆
河合香吏
- 教育長
- 水田博和
- 事務局
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大城達也
兒島 靖
長谷川英輝
坂田安男
田中秀治
- 欠席者
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山口 力
内藤 昇
岡嶋直二
4 議題
- 令和2年度いじめ・不登校対策協議会報告
- いじめ・不登校対策に関する意見交換
5 議事内容及び決定事項
(1)令和2年度いじめ・不登校対策協議会事業報告
- 事務局
- 事業報告
- 委員長
-
不登校対策として、中学校3校に設置した登校支援室について、もう少し内容を教えてほしい。また、今後の取組や方向性についても教えてほしい。
- 委員
- 登校支援室は「心の居場所」として位置付けている。藤山台中学校と石尾台中学校については、地域のベテランの女性3名が支援員として、人とのかかわりをもつことを中心に、生徒に寄り添いながら接してもらっている。生徒は、登下校の時間も含め、自分のやることを自分で決めて過ごしている。支援室での活動は、自習をしたり話をしたりゲームをしたりと様々。支援室の利用の仕方も様々で、一日ずっと支援室にいる生徒もいれば、支援室を拠点として、参加できる授業に参加する生徒もいる。また、通常は学級で過ごしているが、テストのときだけ来る、疲れたときに来る、友達とトラブルになった時だけ来るなど、緊急避難的な利用の仕方をする生徒もいる。
- 委員
- 東部中学校の支援室は第1相談室と第2相談室に分かれている。第1相談室は、学習支援を中心として、教員が交代で指導している。教室には入れないが、勉強したいという生徒のニーズに応えながら、心の成長や帰属意識の向上を図っている。第2相談室については、教員志望の職員1名が常勤で配置されている。主に心の居場所づくり、心の安定を図るための教育相談や簡単な学習支援、ゲームやレクレーションなどをして過ごしている。いつも同じ先生が出迎えて、個に寄り添った対応をしてもらえるということで、2学期に教室に戻れるようになった生徒や、これまで不登校だったが、3年生になって毎週1日は学校に来て相談室で過ごすことができるようになった生徒もいる。
- 事務局
- 令和3年度には、新たに3つの中学校に登校支援室が設置する。また、令和4年度には、残り9校に設置し、市内15中学校に登校支援室を設置する予定である。今後は、タブレットPCを活用した、担任や友達とのコミュニケーションの場の提供や、支援室や家庭での学習機会の保障に取り組む。また、登校支援室を中心に、SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)の導入を進めていく。
- 委員長
- SSTについて、先ほど研修の様子が紹介されていたが、春日井市の取組をもう少し詳しく教えてほしい。
- 事務局
- 西山小学校では、平成27年度より、名城大学の曽山和彦先生から指導を受け、SSTに取り組んでいる。毎週木曜日、朝の15分間に「にこにこタイム」という時間を設定し、全校一斉に活動し、友達とかかわる力をはぐくんでいる。平成30年度から不登校児童が0人となっている。SSTの目的は、人とかかわる力を育てることである。「アドジャン」と言われるじゃんけんをしながらのコミュニケーションづくりは、そのための一つの手法である。人とのかかわる機会が減っている現代の子どもたちにとって、学校教育の中で、意図的、計画的に人とかかわる力を身につけさせることはとても重要なことであり、積極的な不登校対策としても有効だと考える。
- 委員長
- 登校支援室に関連して、適応指導教室の取組状況を教えてほしい。
- 委員
- 今年度は4・5月がコロナの影響で学校が臨時休業であった。あすなろ教室もそれに準じて6月から利用を開始、行事等もできないことが多かったが、工夫して館内でできる活動をしてきた。中学校3年生の進学先について、例年は中間定時制や通信制の学校が多かったが、今年は私立の推薦合格が決まった子や、公立の普通科を目指してがんばっている子がいる。私立高校が不登校の生徒に対しての理解を深めてきたこと、あすなろに通いながら勉強し、学校の提出物を出し、テストを受けていけば公立高校も夢ではないことを感じた。
(2)いじめ・不登校に関する意見交換
- 1.
- 保健室での相談や対応について
- 委員長
- 保健室では児童生徒の心の健康に気を配っていることと思うが、最近の児童生徒の様子や相談の傾向やその対応、連携体制について教えてほしい。
- 委員
- 保健室の利用状況については、昨年度に比べると利用人数が増えている。相談や保健室利用の理由で多いのは、ゲームのやり過ぎによる睡眠不足や親とのトラブル、SNSによるトラブルなどがある。また、4・5月の休校期間に家で一人で過ごすことが多かったため、それに慣れてしまい、人とかかわることの煩わしさを訴えたり、親に認められたいが認めてもらえない不満を訴えたりする生徒も少なからずいる。学年職員等と協力して、該当生徒に合わせた対応が取れるようにしている。
- 2.
- いじめ不登校相談室の状況について
- 委員長
- いじめ不登校相談室について、最近の相談の特徴など教えてほしい。
- 委員
- 今年度これまでの相談件数の合計は107件。昨年度は202件あったので、95件減少した。その理由についてはよくわからないが、今年度初めの学校の休業により、不登校傾向の子にとっては、学校に行かなければならないというプレッシャーから解放されていたのではないかと推測される。また、相談室への電話は、学校での対応に不満を抱えたものが多いので、逆に言えば、学校での対応がきちんとされていることの表れではないか。相談内容の特徴としては、学校再開後に生活のリズムが取り戻せないことへの相談や、自粛期間中に保護者が家にいることが多く、それによって起きる保護者自身の不安や子どもへの不安等が多かった。
- 3.
- 法務局での相談活動について
- 委員長
- 法務局に寄せられる相談やSOSミニレターの取組状況について教えてほしい。
- 委員
- SOSミニレターの取組として、春日井市の学校から届いたレターの数は22通、虐待1件、いじめが5件、学校生活での問題が12件、その他4件となっている。昨年度は学校に情報提供しなければならない深刻な事案があったが、今年度は児童生徒とのやり取りで問題が解決するものばかりであった。来年度もSOSミニレター事業に協力をお願いしたい。
- 4.
- 警察のいじめへの対応について
- 委員長
- 警察に寄せられるいじめの相談に対して、どのようなものがあり、どのように対応しているか教えてほしい。
- 委員
- 警察には保護者からお子さんに関する様々な相談が寄せられる。警察の立場としては、相談内容が法律に違反するのかどうか、違反するのであれば、検挙や補導について保護者と相談して対応している。学校にかかわることについては、処罰を望まず話し合いで解決したい保護者が多いので、その場合は学校に協力を求めている。SNSに関する相談が増えているが、すべて警察で捜査できるものではない。対策として今年度「情報モラル教室」を中学校4校で実施した。アンケートから生徒自身のモラルの向上が見られた。来年度以降も実施していきたい。
- 5.
- 保護者から見たいじめ・不登校
- 委員長
- 本日報告のあった春日井市の取組や学校での取組について感想を聞かせてほしい。
- 委員
- 今の時代は守られている子が多くていいと思った。昔は自分で解決しなければならないことが多かった。このような取組が、さらに広まって、いじめや不登校で悩む子が少なくなるといい。
- 委員
- いろんな取組がされていることが分かり、親としては安心した。子どもの関係で12年間小学校にお世話になってきた。この間、スクールカウンセラーなど心のケアに対する取組が年々増えていることや、特別支援に関する環境や理解が進んできていることを感じている。いろいろな子に対する対応が広がっていることはいいと思うし大変ありがたい。
- 委員長
- コロナの影響がいろいろなところに出てきており、みなさんがそれぞれの立場で苦労していることが分かった。予測困難な世の中を生きる子どもたちのために、みなさんからの意見を参考にして、今後もみなさんと協力しながら、いじめ問題、不登校問題に取り組んでいきたい。
上記のとおり、令和2年度第2回春日井市いじめ・不登校対策協議会議事の経過及びその結果を明確にするために、この議事録を作成し、委員長が署名及び押印する。
令和3年3月5日
春日井市いじめ・不登校対策協議会
委員長 願興寺 礼子
委員 森 尚子