平成16年度第1回春日井市廃棄物減量等推進審議会議事録

ページID 1007726 更新日 平成29年12月7日

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1 開催日時

平成16年8月4日(水曜日)午前10時~午前11時30分

2 開催場所

春日井市役所3階 304・305会議室

3 出席者

【会長】

市民 吉田 光雄

【副会長】

事業者 青嶋  清

【委員】

市民 青山 博徳
市民 木野瀬 敏子
市民 戸田 幸子
市民 田村 美恵子
事業者 丹羽 伸一
事業者 次良丸 誠
事業者 川久保 清
学識経験者 水谷 允一
学識経験者 岡本 正孝

【事務局】

環境部長 松田 和敏
ごみ減量推進課長 吉富 孝一
清掃事業所長 加藤 千尋
クリーンセンター所長 高井 潔
ごみ減量推進課課長補佐 富田 泰範
ごみ減量推進課ごみ減量担当主査 杉山 功
ごみ減量推進課主任 加藤 裕二

4 議題

  1. 事業系ごみの減量方策について
      事業系ごみの年次別排出状況
      パンフレット「事業者の皆様へ」
      ごみ減量啓発指導員の活動状況
  2. 資源の抜き取り行為について

5 傍聴人

なし

6 議事内容

議題(1) 事業系のごみ減量方策について
【事務局】
 資料に基づき説明。
【川久保委員】
 パンフレットは巡回時に渡しているのか。事前に各事業所に配布しないのか。
【事務局】
 パンフレットは1万2千部作成した。事業所の巡回は先月から実施しており、今後、商店街や各種団体等へ配布したいと考えている。
【会長】
 現時点では訪問先に限ってということか。
【事務局】
 これまでの配布先は、商工会議所の事務局窓口、収集運搬業者等である。今後各種団体や商店街等を活用し、積極的に配布したいと考えている。
【木野瀬委員】
 2ページの答申の中に、1、2、3と具体的な方策が書かれているが、2と3について、具体的にどういう取り組みをして、どんな成果があったか。
【事務局】
 まず、2のリサイクル業者間の連携、あるいはリサイクルに取り組む事業所の支援制度の関係については、分別収集等を実施している事業者、あるいは、ごみの排出抑制に努力している企業等をエコ事業所という形で認定する制度を設けたいと考えている。次に、資源の処理手数料ですが、もう少し時間をいただきたい。3番の関係の行政あるいはリサイクル事業者、収集運搬業者、排出事業者のパートナーシップの形成については、商工会議所でオフィス古紙のリサイクルについて、独自の取り組みをされており行政も参加している。こういったものが、今後拡大していく中で、形にしていきたいと考えている。
【次良丸委員】
 ごみ啓発指導員について、7月1日に2名任命され、7月の実績が221件とあるが、この訪問先の選定には条件があるのか。半年間で全事業所を巡回するというのは不可能と思われ、どのように考えているのか。
【事務局】
 大手の企業はISOを取得される等ごみの減量についても独自に取り組まれている。今回は、個人事業所や家庭内事業所等、いわゆる小規模あるいは中規模の事業所を対象に巡回している。
【会長】
 事業系ごみの排出量の推移で、14年度、15年度の10パーセントの増加要因は何か。
【事務局】
 断定はしにくいが、一つは、小型焼却炉での焼却が禁止されたということがある。いわゆる、一斗缶あるいは土を掘って燃やすなどに加え簡易な焼却炉での焼却が平成14年12月から禁止されたということがある。それまで各事業所においては、自己敷地内においてこのような焼却をしていたところもあるため、一つの要因に挙げられると考えられる。もう1点挙げるとすれば、14年から15年は社会経済情勢の観点から景気が回復傾向であり、その点から経済活動が活発になると、ごみ等も必然的に増加するということである。そのあたりが、増加要因であると推測している。
【岡本委員】
 事務局の説明のとおり、廃棄物処理法あるいはダイオキシン特別措置法により、簡易な焼却炉では煤塵あるいはダイオキシン類が発生するため禁止されている。県では、事業者あるいは工場を回り、基準に適合しない焼却炉については使用禁止ということで厳しく指導している。
【会長】
 第4の啓発指導員の活動について説明があったが、7月は221件だが、最終的には何件ぐらいを予定しているのか。
【事務局】
 市内には1万数千社の事業所があるが、その内80~90パーセントは小・中企業と聞いている。従って巡回対象は何千ということになるが、今年度は、できれば千社ぐらいは回りたいと考えている。その中で一番大きく占める商店街には、組合あるいは団体を通じて啓発等を考えている。
【会長】
 核心に触れていただいたが、そういう団体の中で、会合でもっと積極的に訪問をされ話をいただくことも、個々に回るよりも効果があるのではないか。もう一つが、巡回の予定では2か月毎になっているが、西部と東部では事業所の数にばらつきがあり、2か月にこだわらず運用してもよいのではないか。
【青山委員】
 事務局説明に補足する。私は商工会議所の委員を勤めており、パートナシップによる事業系ごみの減量について会議所でも検討している。その中で、商工会議所には現在約6千事業所があり、事業系ごみの減量もしくはリサイクルに関する特集を9月1日号の会報に載せる運びになっている。また、かねてから話があり、王子製紙にも協力していただき、商工会議所の方で「春日井そだち」というオフィス系の古紙を集めて再生しようというシステムの話の中にごみ減量推進課にもメンバーになっていただいている。また、商店街連合会もメンバーになっている。事業系のごみを資源ごみとして集めることはできないかと商工会議所でも取り組んでいる。「春日井そだち」については、10月の春日井まつりに第1回の製品を配り、また、名刺等には印刷ができるような形で案内をしようということで、会議所の一つの事業として、また、商店街連合会は法人化に向け一つの事業の柱としてとらえている。次に、10パーセントほど事業系ごみが増えているということで、会議所も随分危機感をもってとらえており、何とか連携をしながら減量を進められないかということで進んでいる。1割増の要因だが、会議所でも大変皆さん仕事が忙しくなってきている。これは景気回復ではなく、単価は下がっているが仕事量は上がっているということで、年商というか、同じものをやっても値段が上がっていかないが、仕事量だけは増えているという状況で、特に製造業に関しては、その傾向が顕著だということであり、仕事量だけが増えている。仕事量の増加により廃棄物も当然増えてくるのではないかという見方をしている。
【会長】
 いよいよ「春日井そだち」が10月16日、17日の春日井まつりでデビューというところまで話をいただいた。
 議題1の問題の焦点については、いかに排出元である事業者の方々に分別を意識していただけるかということにあるように思われる。
議題(2) 資源の抜き取り行為について
【事務局】
 資料に基づき説明。
【田村委員】
 目に余る行為である。自転車で一杯持ち、交通上も危険であり、二子山公園の東屋を占領し、そこで集めた缶を潰したりしている。公園の美観も損なっている。
【戸田委員】
 自転車に袋を左右両方に付けているのは以前から見かけることがある。
【会長】
 地区によって状況は違うが、荷台をコンパネなどで囲って多量に積めるように改造した軽トラックが比較的早朝に見受けられる。
【青山委員】
 資源の争奪戦とでもいうような、飲料缶ばかりではなく新聞紙や雑誌にしても、有価物になってきたからこそ、こういう問題が発生してきている。市民は、逆に片付けてくれているというような感覚で見ている方が多い。集積場からごみが数パーセントでも少なくなれば市が助かるのではないかという感覚を持っている人が多くいるので、その辺のところで、問題になっている点をもう少し市民に理解していただく必要があると感じる。
【会長】
 せっかく分別して出したのに、抜き取る人たちのために分別しているわけではないという意見もある。それはやむを得ないという一部の市民の意見が主体なのか、それは困るという、分別意識の低下につながるというあたりのことも含めてどうか。
【副会長】
 私は自転車で持っている人を見かけたことはあるが、軽自動車までは見たことはない。抜き取りの行為に対する市民のどちらでも良いという考えの奥には、コストの面とそれを売却したときの収入の面が知らされていないからである。分別収集にかかる費用と、収集資源の売却益をもっと市民の方々に説明し、周りがそういう意識を持てば、取る方もなかなか取りにくくなってくるのではないか。バランスシートのような考えに基づいて啓発すれば良いと思う。
【会長】
 県では、他市の状況やこの問題などを議論されたことはないか。
【岡本委員】
 名古屋市でも、同じように自転車で勝手に持っていくという光景を見たことがある。例えば、監視体制が必要だが、時間と人を上手く使えば勝手に抜き取るという行為は少なくなるのではないか。
【会長】
 地区における分別指導員等を活用する方法だと思うが、春日井市でも以前、資源の日を設定した当時実施したケースがある。
【丹羽委員】
 私が住んでいる市では、資源ごみの回収日には回収箱をセットし、必ず当番者が朝からいる。このため、集まった物を抜き取っていくというケースは非常に少ない。確かに春日井市では自転車で一杯持っているのを見かける。今でも各ステーションには分別を指導する人はいるか。
【会長】
 定着したという意識の中で、ただ自主的にやっている所はあるかも知れないが、今はいない。
【戸田委員】
 自転車で一杯持っていくという人は、公園の中に捨てられている物などを持っていってくれる人だと認識していた。事業としてやっているのであれば問題である。事業としても成り立つような、リサイクルを取り巻く状況が随分変わってきてしまったということを感じる。
【会長】
 このことに関して一つ特徴的な話として、牛山地区はコミュニティが非常に発達している地区で、以前から地域内の資源化物を収集し、その売却益でコミュニティ活動をしている。様々な活動を行っている。私の住む地区でも長くやっていたが、資源の日の制度が導入されたことをきっかけに止めた。牛山は引き続き地域の合意を得、リサイクル用の軽トラックも購入している。
【事務局】
 これは、春日井市のみならず愛知県下あるいは全国的な問題になりつつあると認識している。私どもからするとごみあるいは資源の位置付けがまだ明確になっていない部分があるのではないかという思いがあり、愛知県なり国なりで法の中で位置付けをして何かできないものかという思いもある。東京では、条例上で、裁判になり係争中という話も聞いているが、判例できちっと整備されるか、あるいは、個別法いわゆる容リ法あるいは廃掃法の中で、こういった循環資源の処理が市町村の責務という位置付けができないかという期待を持っている。制度が整備されれば良いが、当面は、資料にあえて売却単価を掲げたが、1トン当たり85,000円と書いてあるが、先ほどの差引82トンを掛けるとどれだけのものが収益から減ったかがわかる。こういったことも、先ほど委員の中から、市民の中で、そこまでの情報を開示すれば市民の意識が高まるのではないかという意見をいただいたので参考にさせていただく。
【青山委員】
 例えば、ポイ捨て条例では罰則規定がないのか。これは基本的には本来は窃盗という形でやれるのか、それとも市の財産ではないので、放置してある物を持っていった、これに関しては春日井市では関与できないということか。
【事務局】
 ごみそのものの所有権、出す人の所有権がどこまで及ぶのか、もう一つは、ごみを収集しなければいけないが、その収集の占有権はどの時点から発生するのか。実は、このような問題がある。当然、抜き取りという行為が不法であれば、おそらく窃盗罪に当たると解釈できる。ただ、出される方がごみステーションに資源を出された、それから市が集める間の空白の時間に抜き取るという行為そのものが、法的に違法なのかということが現在明確になっていない。だからこそ現在東京で裁判になっている。裁判の判例を待つか、いわゆる個別法、廃掃法あたりで位置付けるかということが究極の解決策になる。さりとて、それを待っていてはいつのことになるかわからないため、当面こういった現状を介したような何らかの対処をしないといけないということで、本日議題にあげさせていただいた。
【会長】
 青山委員の発言の中にありましたポイ捨てだが、春日井市の場合5万円という罰則規定がある。指導勧告に基づき段階的な規定である。ただ、重点地区は決めてないため、実際に運用したケースはない。資源の抜き取り行為については、これから我々は関心を持って、実情を見ていきたい。単価が最近非常に高騰している。私たちが地区で出していた頃は業者の引き取りが3万円だったが、今は85,600円。新聞紙にしても、中国にかなり流れているようである。状況が変化している中で、お気づきのことがあれば、これをきっかけに事務局と話し合っていきたい。
報告事項 
【事務局】
 資料の説明
【会長】
 さわやか収集については申し込みと実施件数に差はあるが、断った事例はないということは非常に嬉しいことである。
【戸田委員】
 天ぷら油の回収は、どの程度の油が回収に出されているかということと、バイオ燃料になるというのは非常に良いことのような気がするが、これだけの油を回収すると、どれだけの燃料になってくるのか、そういう差し引きを計算したことがあるのかということと、私は油の酸化などのテストは随分やってみたが、家庭から出る油は上手にやれば使いきれるものである。油を廃油として出すということが、主婦としては好ましいことではないと思われる。普通の燃料からバイオ燃料に変えたときの数字的な差し引きは出されたことがあるか。
【事務局】
 そもそも始めた要因が、家庭で使用済みの天ぷら油は、下水に流されたり、ごみで出す場合は、新聞紙に吸わせて燃やせるごみとして出してもらっていた。それで、環境面を配慮した上で、天ぷら油の回収を始めた。しかし、回収時の天ぷら油の状態の程度は把握していない。ただ、油の程度に関係なく精製は十分可能である。バイオ燃料化は、京都の業者に依頼しているが、市が回収した油は無料で引き取らせ、それを税込みで、1リットル当たり80円で購入した。パッカー車については軽質軽油を使用しているが、1リットル当たり110円程度なので、経済効果を考えるとバイオ燃料の方が若干良いといえる。この精製したバイオ燃料は軽油に代わるものであり、精製したものに軽油やガソリンを入れたりしたものではないので、性能的にも今の軽油と同じ性能を有している。ただ、排気ガスに若干菜種油などの匂いが少し気になるという者もいる。
【戸田委員】
 油を排水に流す人がいるのも事実かも知れないし、1回使用したら捨てる人がいるかも知れない、世の中様々だから、こういう対策が出てくるのもやむを得ないことだと思う。しかし、この策を出すときに、前提として、家庭の油は使い切るように努力しましょう、ということを入れてくださいということを私は希望的に申し上げておいたのだが、それがあって、使い切る努力をして、なお出たものを集めるというのが食用油の本来の姿ではないかと思う。まだ使える油をバイオ燃料になるからといって出してしまうのは、そもそも間違いだという認識は今でも持っている。市役所12階のレストランで使い切った廃棄直前の油の酸化を調べたことがある。ここまでの酸化になったら取り替えないといけないというぎりぎりのところまで使っていた。こういった状態の油であれば、回収しても良いと思う。そういうことを考えると、家庭の油はいくら調べてもそこまで使う人はない。いろんな家庭があるから仕方がないが、例えば事業系のところで、市が事業系ごみの減量を考えているのであれば、天ぷら油も、事業系でさんざん使った油を回収すればむしろ効率よく集められ有効ではないかと思うが、事業系は事業者でそれぞれやっているルートがあるのか。
【事務局】
 事業所から排出される油は産業廃棄物の扱いになる。私どもも当初検討したが、春日井市としてやる事業としては、やはり、一般廃棄物が大前提であるため、事業所から出る油は産廃扱いになるので、これは対象にすることはできないということから家庭の油ということになっている。春日井市が市の事業として実施するならば、例えば、保育園とか小中学校がいくつかあるが、そこから排出される油も基本的には産業廃棄物扱いになるが、精製設備を市で持ってやれば可能であるとは思う。しかし、今の段階では家庭の天ぷら油しか対象にできないという状況である。
【会長】
 収集に至る経過が少し問題ではないかという意見である。ただ、これは現に始まっている中での状況の報告であるので、そこでできるのが、もっと有効に使いましょう、何回も繰り返し使いましょうという啓発をするというのが、それぞれの立場でいろんな形でできるのではないかということを思う。
その他
【戸田委員】
 先回の答申の一番最後に、追記のような形で、「なお、さらに指定袋の導入について、調査・研究するよう要請する。」とあるが、この件に関して今回は全く触れられていない。その辺の経過はどうなっているか。
【事務局】
 答申後、国では大きな動きがあり、先般の朝日新聞にも掲載されていましたが、ごみ処理の原則的有料化を検討するということで、国の環境審議会でテーマとしてあがっており、おそらく年内に一つの方向性が出ると思われる。その他にも容リ法の関係でも審議されており、廃棄物を取り巻く状況が変わりつつあるという実態である。そういった中で、今指定袋を検討することになると、どうしても議論になるのが、その辺りの議論も含めてという形になる。市では、国の方向性を見極めながら、指定袋あるいはごみ処理有料の方策について検討していくことになる。これに関しては、当審議会に諮問し、答申を受けるという形になると思うが、しかるべき時期に行いたいと考えている。
【会長】
 私どもとしても、そのことについては状況を上手く展開していかないといけない。国の状況をもう少し見極めて進行したいという意見から、この経過をあらかじめこの場に至るまでにコメントとして出していただくとそういう混乱はなかったと反省している。
【水谷委員】
 市の人事異動があったせいで、審議会が少し中断したような感じがする。その間の引継ぎがスムーズに行えるようにしていただきたい。
【事務局】
 人事異動だけが理由ではないが、一部そういう点もあったかも知れない。色んな状況の変化があったことや事業系ごみの答申した内容についての具体策についていろいろ検討していたという経過もあります。このようなことで審議会の開催が遅れ大変申し訳なく思っている。人事異動の関係については、今後スムーズに引継ぎができるように努めていきたいと考えているので、よろしくお願いします。
【会長】
 本日は、資料として関係部分の一部を出していただいたが、平成16年度清掃事業概要が今月末に完成予定である。各委員には完成次第配布されることを確認して、本日の会議を終了したい。
 上記のとおり平成16年度第1回春日井市廃棄物減量等推進審議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、議長が署名する。
  平成16年9月1日
               

 議長  吉田 光雄   印

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