平成20年度第3回春日井市廃棄物減量等推進審議会議事録

ページID 1007713 更新日 令和6年1月10日

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1 開催日時

平成20年12月22日(月曜日)午前10時~11時30分

2 開催場所

春日井市役所南館(議会棟)4階第2委員会室

3 出席者

【会長】

市民団体   仲小路 浩(かすがい環境まちづくりパートナーシップ会議)

【副会長】

学識経験者  岡本 秀昭(名古屋経済大学経営学部教授)

【委員】

市民団体   足立 利子(なずなの会)

         伊藤 月美(春日井市婦人会協議会)

市民   広川 雄三

         堀内 和弘

事業者   艮  源治郎(株式会社マイカル 春日井サティ副店長)

         峠  貴斗(大和興業株式会社代表取締役)

         大矢 孝彦(春日井商工会議所専務理事)

学識経験者  行本 正雄(中部大学工学部教授)

【事務局】

       環境部長   可児 孝雄

 ごみ減量推進課長   吉富 孝一

    清掃事業所長   長縄 明

クリーンセンター所長   鈴木 元幸

   ごみ減量推進課

      課長補佐   岩瀬 敏記

        副主幹   岩田 尚也

ごみ減量担当主査   小山 雄司

         主事   仙田 卓也

4 議題

プラスチック製容器包装分別収集の必要性及び今後の検討事項

(1) 前回の答申

(2) リサイクル環境の変化

(3) 分別収集の効果

(4) 課題

  ア 経費負担
  イ 市民の負担

5 傍聴者

2名

6 会議資料

7 議事内容

【岩瀬補佐】 開会あいさつ
【小山主査】 資料の確認
【岩瀬補佐】 議事の進行は仲小路会長にお願いする。
【会長】 次第に従って議事を進める。なお、本日の会議は、過半数の委員が出席しており、春日井市廃棄物の減量及び適正処理に関する条例施行規則第5条第2項の規定により、本会議は有効であることを報告する。
 まず、議題1のプラスチック製容器包装分別収集の必要性について、事務局から説明をお願いするが、審議内容が前回の答申、リサイクル環境の変化、分別収集の効果、課題の4つに分かれているため、初めに前回の答申とリサイクル環境の変化についてまとめて説明し、その後、課題、目的及び効果を説明し、それぞれについて各委員の意見・質問等をお願いしたい。なお、一通りの審議が終わった後、議題1については、各委員から総合的な判断により発言を求めることとする。
 それでは事務局から前回の答申、リサイクル環境の変化について説明をお願いする。
【事務局】 前回の答申とリサイクル環境の変化について、資料に基づいて説明
【会長】 今の説明について、意見・質問は。
【伊藤委員】 分別収集をしないことで、罰則等はあるのか。
【事務局】 罰則は特にない。
【会長】 他にはよろしいか。では次に、分別収集の効果について、事務局から説明をお願いする。
【事務局】 課題、目的及び効果について、資料に基づいて説明
【会長】 今の説明について、意見・質問は。
【広川委員】 平成18年度の春日井市の資源のリサイクル率が17%超、一方で愛知県下の市の平均が22%である。このリサイクル率の上昇を効果の1つとして挙げてはどうか。
 また、環境省が出している家庭ごみ量の2015年目標が「1人1日あたり530g」、この数値に少しでも近づけることを考えると、この分別収集は意味があるのではないか。
【事務局】 今の意見については、市全体としての削減目標をごみ処理基本計画に盛り込むことがベターと考えている。
【艮委員】 「延命」という表現を他の表現に変えてはどうか。
【事務局】 薬品や施設への影響ということで色々な点があったが、総括的な表現で「延命」とした。
【会長】 最終処分場、クリーンセンターも含めてこういった表現になったことを申し添える。
では次に課題について、事務局から説明をお願いする。
【事務局】 資料に基づいて説明
【広川委員】 5ページのフローチャートについて、「迷ったら燃やせないごみ」というのも追加してはどうか。
【会長】 以前の話にもあったが、市民の意識も少しずつ変わっていくと思う。最初は、誰にでもわかるような説明をするべきでは。
【広川委員】 「迷ったら」というのは、処理の段階も含めての話である。例えば、メープルシロップの容器は、表から見たら紙カップに見えるが、内側にはプラスチックが入っている。
【会長】 キーワードの中に「わかりやすいもの」とあるが、容器の汚れ等は洗うと河川を汚し、紙でふき取ればごみが増える。どちらが良いのか、各自が判断していくしかないと考える。
【副会長】 3つのキーワードのうち、「質の高いもの」について、「きれいなもの」という表現の方がわかりやすいのでは。
また、アウトソーシングの方が費用がかからないという計算は、どのようにしているか。年間収集量とかかる費用の関係を詳しく知りたい。
【会長】 まずキーワードについて、事務局から回答をお願いする。
【事務局】 「質の高いもの」という表現は、容器包装リサイクル協会の言葉から引用した。
【会長】 市民レベルで、「容器包装」と聞くと、マヨネーズやケチャップ等の容器類で迷う。副会長の話に付け加えると、「質の高いもの」と「水洗い」の表記は要らないのでは。
【行本委員】 拠出金制度の詳細を、各委員はわかっているか。
【事務局】 ここで、拠出金制度の説明をさせていただく。
ペットボトルについてはすでに行われているが、当初に国が予定した処理費用と、最終的に処理された費用の差額を計算し、その2分の1を、回収量に応じて各自治体の方へ戻すという制度である。
【行本委員】 原料として質の高いものがリサイクルできていると評価された市はAランク、分別が悪く、回収物が原料にならない市はDランクとなっている。市民は、相当な覚悟をもって分別しなければならない。実際に、プラスチック製容器包装はごみではなく資源である。(法律上は、「質の高いもの」と表現されている。)
【会長】 市民が実際に分別するとなると、「ごみ」を分別する、という意識からスタートする。迷うようなキーワードでは役に立たない、ということを気をつけてもらいたい。
【広川委員】 再生事業者は、ピュアなもの(質の高いもの)を欲しがっている。なぜキャップを外すのか、なぜフィルム(ラベル)を外すのか市民に対してしっかり説明するべきである。それが理解されないと市民がやらない可能性がある。
【事務局】 (了解した)
現在行われている牛乳パックやペットボトルについては、「軽く水ですすいで」としている。
チューブ類を例にとって実験してみた。そのまま洗ったり、切り分けて洗ってみたりしたが、やはり手間がかかるため、除外した方がよいと考えている。しかし、軽く水洗いして汚れが取れるものは、資源となるため、対象物に入れたい。
【広川委員】 「丁寧に洗う」のではなく、「さっと洗う」という表現が受け入れやすいのではないか。
【会長】 法律上は「質が高いもの」としているが、扱いとしては結果的にきれいなものを対象とする。
次に収集量と費用の質問について、事務局から回答をお願いする。
【事務局】 現状、収集箇所が7000箇所、燃やせないごみが週1回収集。これを前提に、委託の場合は業者に見積りを取り、直営の場合は現在の収集に基づいて、車両台数、減価償却費、燃料費等を算出している。
選別保管の費用は、前回の費用をそのまま載せている。
【副会長】 (峠委員に)事業者としての意見はどうか。
【峠委員】 市民がきれいなものを出しても、混合物でリサイクルできないと意味がない。分別するなら、行本委員の言ったように、市民の覚悟が必要である。
【足立委員】 3000トンという数字は、不適物を除いたものであるか。
事務局 前回示したデータのとおりであるが、クリーンセンターで組成分析を行った結果である。
【事務局】 実際にプラ分別を行っている市が、委託している業者がデータを取っている。例えば、食品関係のチューブ類は全体の5~6%を占めていると聞いている。「不適物」全体では、平均して7.5%で、前回の話にあったように、誤差を考えて10%とすると、おおむね3000トンになると考えている。
【会長】 添付資料に他市の数値が載っているが、こちらも参考になる。
【事務局】 一つ追加だが、平成18年度愛知県廃棄物実態調査では、プラスチック製容器包装の分別収集を行っている市(人口10万以上)の加重平均値は、一人当たり約11キロだった。人口が30万人とすれば3300トンで、不適物の10%を抜いて、やはり3000トンくらいであると考えている。
【広川委員】 収集量が10%ほど増減することも考えられるが、それに対応できるしくみにしておかなければならない。
会長 他に意見・質問は。
【艮委員】 収集運搬費用の中で、燃料の値上げは考慮されているか。
【事務局】 軽油1リットル120円で算出している。
【大矢委員】 直営の中間処理施設の費用は保管場所も含めているか。
【事務局】 含めての数値である。
【広川委員】 差額の190,660千円を3000トンで割ると、1トンあたり約6万円かかると解釈してよろしいか。
【事務局】 そのとおり。
【会長】 廃棄物の量に関して、新たな分別を増やすことで、単に回収量が増えるだけでなく、減る部分もあることを明らかにしておかなければならない。
【事務局】 業者の見積りや、燃やせないごみの減少等を考慮して試算をしているが、実際にやることになると、改めて見直しが必要である。
【会長】 他に意見・質問はよろしいか。
【事務局】 追加で1つ、あくまで参考意見だが、平成12年4月に施行されたプラスチック製容器包装の資源化が始まった直後である前回の答申について、当時の審議会で審議された内容を再度確認する。一つ目に飲み物のストローやクリーニングの袋等、同じ素材なのに対象にならないものの存在、二つ目にプラ1からプラ7までの種類があり、区別が難しいこと。三つ目は費用がかかること、四つ目にマテリアルリサイクルが国の基本方針であったこと。
なお、当時は「迷ったらプラへ」という自治体が多かったが、国の方針として、ケミカルリサイクルも容認し、質の高いものをリサイクルするという風に変わってきている。
また、拠出金についても、ランクに応じて出すようになっている。このように世間の状況としては、プラスチック製容器包装の分別をする方向になってきている。市としては委員それぞれに意見を聞いた上で進めていきたいと考えている。
【会長】 それでは順に、堀内委員からお願いする。
【堀内委員】 審議をする前は、プラスチック製容器包装の分別をすることは、素晴らしいことだと考えていた。ただ、リサイクル推進協議会ではマテリアルリサイクルよりケミカルリサイクルの方が環境負荷がかからないとも言っている。
「法律を基に、皆で進めていく」ということを市民に良く説明し、理解を得た上で進めていってもらいたい。
【大矢委員】 CO2の削減等、市民意識は変わってきている。市民に対して分りやすい方法でやっていく必要があると考える。
【艮委員】 接客業の観点から言わせてもらうと、レジ袋の有料化は平成21年4月から始まるが、お客によっては、レジ袋だけではなく、トレー等の容器も店に置いて帰っていく。全国的にみて、今始めても遅いくらいだと考える。
【広川委員】 法律の趣旨を言えば、分別は「市民の役割」である。ごみの発生抑制、グリーンコンシューマーを増やす等、市民意識の向上が必要だ。
【伊藤委員】 プラスチックは、燃やした方が量は減るし、エネルギーにもなって良いと考えていた。お店でトレーを置いていく場合、結局はお店でごみになっている。お店で量り売りが増えれば、不要になるのでは。
また、分別を実施するならば、資源は1つの曜日にまとめてもらう等、「市民の排出負担」を減らしてほしい。
【峠委員】 リデュース(発生抑制)を進めることが必要であると思う。
事業者としては、トレーが欲しいのではなく、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)が欲しいのだ。
会社がコンプライアンスを意識するように、市民においても市の方針に従ってほしいと考える。
【行本委員】 できるだけわかりやすく市民に説明してほしい。学生も同じで、わかりやすく説明をすればわかってくれる。
家電等は、事業者が責任をもってリサイクルしているように、容器包装リサイクル法に基づいて、色々と進めていくべきだと考える。
例えば、ごみ処理有料化でも、税金のうちごみ処理に使っていた分を福祉や教育に使うのだとわかれば、市民目線でも納得がいくと考える。
【足立委員】 小学校4年生の社会科教材「くらしとごみ」の中でも、プラスチック製容器包装の分別を今後やることを載せてほしい。子どもは教わったことをすぐ吸収するから、子どもの頃から教育を進めなければいけないと考える。
【副会長】 以前、京都の方で、デポジット(預かり金)制度が廃棄物処理に効果的だということを聞いた。しかし当時は、回収システムが確立されておらず、資源市場も不安定だった。(生産→流通→消費)
学者として、費用対効果の面から言うと、サーマルリサイクルが一番良いという考えは変わらない。但し、「燃やす」ことは市民に受け入れられにくい。先ほど行本委員が言ったとおり、排出抑制を進めるために、何のためにやるのか、市民に説明できるようにしておかないといけない。
今までは企業が消費者にあわせ、運ぶのが楽なものや、便利なものを提供してきた。その便利さを追求した結果、資源の浪費となっている。
少しずつ、以前のように戻していければと思う。
個人的には、トレーやレジ袋などはデポジット制度が一番良いと考えている。
【会長】 先ほどの話でもあったが、廃棄物処理は行政負担ではなく市民負担が本来である。今回のプラスチック製容器包装分別収集については、「環境都市宣言」している春日井市においては、やるのが遅すぎるくらいである。
次に議題2の今後の検討事項について、事務局から説明をお願いする。
【事務局】 資料に基づいて説明。
【会長】 今の説明はこれまでの会議において出た意見のため、改めて意見は問わないこととする。
以上で議題は全て終了したが、他に連絡事項は。
【事務局】 次回の審議会は市長への答申を出したい。
これまでの審議内容に基づいて事務局側で素案を作成するので、それに加筆、修正する方式をとる予定である。
時期は3月を予定しているが、調整してまた連絡させていただく。
【会長】 ではこれにて閉会とする。

 上記のとおり平成20年度第3回廃棄物減量等推進審議会の議事の経過及びその結果を明らかにするためにこの議事録を作成し、議長が署名(及び押印)する。

 平成21年2月12日

                議長   仲小路 浩              

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