令和5年度第2回男女共同参画審議会議事録
1 開催日時
令和6年3月22日(金曜日)午後2時~午後3時30分
2 開催場所
レディヤンかすがい 講習室
3 出席者
【会長】 名古屋工業大学ダイバーシティ推進センター准教授 加野 泉
【副会長】 中部大学人間力創成教育院准教授 澤田 裕之
【委員】 公募委員 天野 勲
かすがい女性連盟 石原 美恵子
愛知県弁護士会弁護士 岡田 香世
春日井市小中学校PTA連絡協議会 神戸 研人
連合愛知尾張中地域協議会副代表 新川 憲彦
春日井商工会議所事務局長 鈴木 夕雪
公募委員 田本 雅子
【事務局】 市民生活部長 足立 憲昭
男女共同参画課長 長縄 友美
同課課長補佐 横江 健次
同課男女共同参画担当主査 伊藤 依子
同課男女共同参画担当主事 大橋 雅
4 傍聴者
1名
5 議題
(1)男女共同参画に係る事業について
(2)男女共同参画に係る愛知県の動向について
6 会議資料
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次第 (PDF 49.0KB)
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資料1 男女共同参画に係る主な事業について (PDF 598.9KB)
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資料2 「愛知県困難な問題を抱える女性支援及びDV防止基本計画」の概要(案) (PDF 598.9KB)
7 議事内容
⑴ 男女共同参画に係る事業について
【伊藤主査】
資料1に基づき説明した。
【石原委員】
主な事業についてはとても熱心に取り組まれていて素晴らしい。来年度の企画も良かったところを取り入れてほしい。
男女共同参画課が多様性社会推進課へ変わることについて、市の方針を聞きたい。意見として、女性職員の管理職を増やす取組等、男女共同参画を推進していくには市民生活部ではなく、企画経営部や総務部などに配置するべきではないか。
【伊藤主査】
新たに多文化共生担当が加わるため、課名が変更になった。多様性社会推進課に名前が変わり、性別に関わらず活躍できる社会の実現を目指す視点で取り組んでいくこととなる。依然、女性の立場が弱いということ等の現状もあるため、男女共同参画担当として、青少年女性センターにおいて男女共同参画の推進について今後もしっかり取り組んでいく。
また、男女共同参画課を管理部門へ配置した方がいいのではという意見については、来年度から名称が多様性社会推進課になることが第一歩であると考える。現在は市民生活部の1つの課ではあるが、関係部署との連携がとれており、ともに推進している。管理部門への配置については他市においても事例があるため、今後の春日井市の課題であると考える。
【石原委員】
審議会委員や市職員の管理職への女性の登用率を向上させることについて、男女共同参画課ではどのようにして積極的に進めていくか。
【伊藤主査】
各所属が所管する附属機関の女性登用率については、委員を選任する時には必ず男女共同参画課に事前協議することとしている。市職員の管理職への女性登用については、人事課が人材育成に関する方針を作成しており、男女共同参画の視点を入れている。
附属機関の委員への女性登用率の向上には、職員の意識改革が重要だと考えているため、副市長名で通知を出すなどの取組を行っている。そのほか、事前協議の際に女性の登用率が40%を超えなかった場合は、事前協議書に達成できなかった理由を記載する方法を取り、改善できる点を考える機会を設けている。
令和5年度の登用率があまり伸びていなかったときは、先進自治体の情報を集めるなどし、対策を検討する必要があると考える。
【石原委員】
第3次かすがい男女共同参画プランにおいて、附属機関委員への女性の登用率を40%以上という数値目標を設定しているが、今年度の状況を聞きたい。
【伊藤主査】
附属機関委員への女性の登用率については、今後所管する総務課が調査を行うため、現時点では把握していない。
【石原委員】
千葉県流山市の事例で、「母になるなら、流山市。父になるなら、流山市。」とキャッチフレーズを考えたところ、人口の増加率が上がったとメディアで見た。流山市は保育士が不足しており、保育士の雇用を増やすべく、給与を4万円増額したところ保育士の志望者数が増えた。春日井は今まで「子はかすがい、子育ては春日井」と掲げていたが最近あまり耳にしなくなってしまったので、男女共同参画、ジェンダー平等を市政方針等で掲げるべきではないかと思う。
DV相談窓口が今年度から市役所の本庁に移されたことに関連して、課の配置がわかりにくい側面もあるのではないかと思う。ここ数年は男女共同参画課だけがレディヤンかすがいにある状態だが、男女共同参画課が本庁舎に入り、青少年女性センターの運営を行うという方法もあると思う。
【加野会長】
DV相談が地域福祉課に移ったことによる影響は何かあったか。
【伊藤主査】
DV支援は他部署と連携が必須であるため、営業日がずれていることで支援のスピードが遅くなるという課題があった。
また、相談窓口が本庁舎から離れているため、他課の窓口に出向かないとならないことが相談者の負担になっていた。今年度から相談窓口が地域福祉課に移ったことにより、本庁舎内で対応できるようなった。
さらに、地域福祉課では生活困窮、高齢者虐待、障がい者虐待、自殺予防の相談を行っており、より広い視野で相談者を支援することができるようなった。
【神戸委員】
サイエンスフェスタでは、男女共同参画課が学生や来場者に向けてメッセージを発信しているのか。
【伊藤主査】
直接メッセージを伝えるということは行っていない。体験してもらうことで、子どもの頃からいろんな選択肢に触れるきっかけを提供している。
運営側に女子生徒の参加もあった。子どもたちにとって、女性は理系が苦手というイメージの軽減に貢献できたのではないかと考える。
【新川委員】
近年、女性から男性へのDVもあるが、男女共同参画課で行っている事業は女性の視点ばかりである。男性の視点での支援も必要になってくるのではないか。
【伊藤主査】
男性も被害者になりうることは認識している。DV相談の窓口は性別にかかわらず相談を受けている。
男性の視点からの男女共同参画への取り組みとして、アンコンシャス・バイアスについての啓発を行っている。男性だからという理由で縛られているものから解放できるよう、啓発をしている。
また、男性の家事、育児参加を促す講座の開催も計画している。
【神戸委員】
資料2の愛知県の計画にはなるが、愛知県の計画でも男性のDV被害者の支援についてが薄いように感じるので、男性目線でのDV防止啓発も必要ではないか。
【岡田委員】
女性から男性へのDV被害もある。男性だと特に相談しにくいという現状もあり、素直にお話にならない人もいる。市の事業を見ていても、男女問わずに対する啓発を行っているので、女性のみに向けて、男性のみに向けてという啓発ではなく、各個人に向けての呼びかけになっていると感じている。DVの相談窓口については夫の行動の一例として、妻が相談に来ると待ち伏せることがある。オープンにして誰でも入れることが必ずしもいいというわけではない。愛知県の窓口は建物に入るには必ずインターフォンを鳴らすこととしている。隠れ家みたいなところで相談を受けている。緻密な配慮が必要だ。
【天野委員】
レディヤンかすがい親子ひろばについて。
先日、発達障害の子の親が悩みをディスカッションする場に参加した。レディヤンかすがいの親子ひろばについても、そのような場にする考えはあるか。
【伊藤主査】
対話をする場所としては現在考えてはいない。
親子ひろばは、日頃抱える悩みや不安を気軽に打ち明けられるような居場所づくりとして行っている。家の中で閉じこもるのではなく、外に出るきっかけづくりとして行っているが、今後、鈴木委員の意見のように発展する可能性はある。
【石原委員】
男女共同参画情報紙「はるか」について、内容やテーマはとてもいいものなので、ぜひ全戸配布にするべきだと思う。
【伊藤主査】
今後検討する。
【石原委員】
パートナーシップ・ファミリーシップ制度は、当事者にとってとてもいい制度だと思うが、市の窓口等で思わぬアウティングに繋がらないか懸念がある。何か配慮はしているか。
【伊藤主査】
パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓の受付は他の人の目に触れないように個室で行っている。市の中であっても、他課にこちらから宣誓者の情報を提供することはない。
また、市職員を対象に、毎年「性の多様性の理解」研修を行っている。LGBTQの当事者支援団体の方を講師に招き、当事者の方の声を聴く機会を作っている。すべての職員が受講できるよう、今後も継続して行っていく。
⑵ 男女共同参画事業に係る愛知県の動向について
【伊藤主査】
資料2に基づき説明した。
【天野委員】
男女共同参画審議会は年2回しか行っていないが、開催の頻度を高めて、もっとこの話し合いを効果的にするべきでは。
【伊藤主査】
男女共同参画プランを策定した時には年4回開催した。今後もプランの改定等の際には回数を増やすことを想定している。
【澤田副会長】
教育委員会との連携が必要になってくると思うが、令和6年度の事業には記載がない。令和6年度は特に連携は行わないのか。
【伊藤主査】
資料に記載はないが、出前講座での情報発信やパンフレット配布の協力依頼など、連携は継続して行っている。
【加野会長】
愛知県には男性相談があるが、春日井市は男性に特化したものはあるか。
【伊藤主査】
男性専用の窓口はない。心に抱える不安や悩み等を聞く相談という点においては性別に関係なく、メンタルヘルス相談窓口を設置している。
【岡田委員】
女性支援法に関連した計画は新しく策定するのか、それとも第3次かすがい男女共同参画プランに取り入れるのか。
【伊藤主査】
第3次かすがい男女共同参画プランに盛り込んでいく予定である。
【田本委員】
「女性の悩み相談」や「女性のための法律相談」を行っているが、性別の狭間にいる方が相談しにくくないよう配慮は行っているか。また、相談員は性的マイノリティの方への理解はあるか。
【伊藤主査】
女性の悩み相談窓口に性的マイノリティの方からの相談もある。女性の悩み相談で対応できる相談は受けている。性的マイノリティであることについて専門的な相談を希望される場合には、民間の相談窓口を案内する体制を取っている。
【鈴木委員】
春日井市の計画は愛知県の計画に基づく形になるが、春日井市らしさをどう出していくかが重要になる。今後の審議会で審議していければと思う。
【神戸委員】
第3次男女共同参画プランの内容は「男女」というより、みんなが輝ける社会にしたいという思いが感じとれる。来年度からの課名変更に伴い、プランの名前を変更することも視野に入れた方がいいのではないか。
【伊藤主査】
今回のプラン名については国に合わせて名前を設定した。他市町村では、「男女共同参画」という名称を使用していないところもあるため、今後の審議会において検討する。
【石原委員】
自分は男女差別や給与の差別等、身をもって体験し、そのような社会を変えるために活動してきた。今は男女平等が進んできている方だが、まだ差別が存在する。企業では女性の給与が6~7割であったり、女性の管理職がいない企業もある。女性の立場が弱いということを忘れないで欲しい。
【新川委員】
社会において女性の立場がまだ弱いということは我々も忘れていない。企業においても女性の登用等を重要視している。決して忘れることはない。今後も改善をしていく。ただ、男性からの視点での男女共同参画の推進も必要だと思う。
【加野会長】
ジェンダーレスを目指しているわけではない。男女という言葉を使わず、ダイバーシティという言葉を使うようになっても、男女の格差は是正していかなければならない。ジェンダーレスが先行してしまって、男女統計を取らないといった行動は危険。両方の視点を大事にしていくことが大切。
【天野委員】
社員研修の受講者名簿の男女の記載について。
近年、受講者名簿に性別を記載していない。性別が名前で分かる人と分からない人がいて、ワークショップや実務面において、効果的な研修ができているか分からないという不便が起きているという現実もある。
【加野会長】
名簿に男女の記載をすることについてはアウティングに繋がってしまう可能性があり、難しい問題である。目的に応じて、個人情報を守りながら、対応していかなければならない。
上記のとおり令和5年度第2回春日井市男女共同参画審議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び出席委員1名が署名する。
令和6年4月21日
会長 加野 泉
署名人 澤田 裕之
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