令和3年度第1回男女共同参画審議会議事録

ページID 1026539 更新日 令和6年1月10日

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1 開催日時

令和3年6月15日(火曜日)午後2時~午後4時

2 開催場所

Zoomによるオンライン開催

3 出席者

【会長】 名古屋工業大学名誉教授         藤岡 伸子
【副会長】 愛知県弁護士会             山内 益恵
【委員】 公募委員                井口 直幸
      春日井市小中学校PTA連絡協議会副会長  加藤 美幸
      中部大学人間力創成総合教育センター
      専門職教育プログラム准教授       澤田 裕之
      春日井商工会議所 事務局長       鈴木 夕雪
      公募委員                松元 永己
      かすがい女性連盟代表理事        丸山 真由美
      連合愛知尾張中地域協議会事務局長    水谷 幸一

      
【事務局】 市民生活部長              長谷川 晃
      男女共同参画課長            吉村 典子
           同課男女共同参画担当主査   伊藤 依子
           同課主任           杉山 広憲

4 傍聴者

 web会議のためなし

5 議題

(1)男女共同参画施策の推進状況について

(2)(仮称)かすがい男女共同参画プラン(骨子案)について

6 会議資料

7 議事内容

議事に先立ち、新委員の紹介、委嘱状の交付を行った。

(1)男女共同参画施策の推進状況について

【伊藤主査】
資料1、2、3、4、5に基づき説明

【松元委員】
資料3、3ページのDV防止啓発講座の開催について、定員は何名だったのか。また、託児希望の有無はどうだったのか。

【伊藤主査】
定員は20名で募集した。元々は1月に開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言発令のため、延期をしていたものである。延期の影響もあってか受講生が少なかった。託児ありの講座であったが、託児の申込者はなかった。

【藤岡会長】
資料1・2、DVの数値目標最近5年間に配偶者等から何らかの暴力を受けたことのある女性の割合が目標値10%という表記は、10%以下にすべきだと考える。
資料2、9ページの数値目標の家事等を夫婦ともに同じくらい行っている一般市民の割合は、記載が分かりづらい。達成度が異なるため家事と育児・介護の2つに分けて記載しているが、家事・育児・介護の3つに分けて記載するか、注釈のそれぞれというのが家事・育児・介護を指していることを明らかにした方が良い。また、2つに分けたままとする場合、家事については、現状値・目標値欄にも家事の表記を入れ、記載を統一した方が分かりやすくなると思う。

【澤田委員】
資料1、5ページの目標1.の数値目標の表中、評価が低い理由が、理由になっていない。数値は改善してきたというのは事実であり、広く認知されるには至らなかったというのが結果である。次の計画策定にあたっては、評価が低かった理由を詰めていくことが、数値目標の達成に繋がることになる。

【丸山委員】
男女共同参画プランやDV対策基本計画の報告書を基に新しい計画の策定をしていくこととなるが、報告からどう分析するかが大切である。
資料5に、DVの被害者が減っているという記載があるが、本当に被害者が減っているのか、報告書や市民意識調査から洗い出す必要があると感じている。
数値目標の後退や悪化について、市民の意識が変わり、今まで当たり前だったものがおかしいことに皆が気付き始めたからこそ、平等ではないと感じる人が増えているという見方もできるのではないか。
昨年は目標値を達成していた、審議会等委員への女性の登用率が30%を下回ってしまったのは残念である。

【藤岡会長】
目標値の達成については、施策の効果が出やすいものと出にくいものがあるが、審議会等委員への女性の登用率については、近いところに達成の手立てがあるように思う。働きかけを重ねて、何とかまた30%を達成してほしい。
また、市男性職員の育児休業取得率の次の目標値が13.0%になっているが、来年施行される改正育児・介護休業法によって、数値目標もまたかなり変わってくるのではないか。そこも十分に検討してほしい。

(2)(仮称)かすがい男女共同参画プラン(骨子案)について

【伊藤主査】
資料5に基づき説明し、併せて基本目標・基本理念の表現についての意見を求めた。

【藤岡会長】
基本目標・基本理念については、「あらゆる個人が」と前につければ問題ないと思う。

【丸山委員】
誰もが輝ける社会とあるが、必ずしも皆が輝きたいと思っているわけではないので、「誰もが幸せになれる」のような表現が良い。

【山内委員】
コロナの影響については、どこまで目を向けるべきかというのはある。ただ、非正規で働く人は女性が多かったので、2020年以降はコロナの影響を受けた女性が多かったのではと思う。現状の分析では古いデータが多く、そういった視点が全く入っていないように見える。例えば11ページでは、М字カーブについて2015年の国勢調査のデータに基づき分析しているが、その後どうなっているのかが大事なところである。

【伊藤主査】
国勢調査も含め、他の統計データについても、適宜、最新の情報に更新し、分析していく。現時点ではこれが最新のデータである。

【井口委員】
10ページの出生の状況で、春日井市の合計特殊出生率が1.60~1.67という数字が出ているが、これは非常に高水準で、フランスと比べても遜色がないと思う。春日井市の子育て環境が整備されているという証拠なのではないか。

【伊藤主査】
市全体として子育て環境を整え、春日井市で子育てをしてもらえるように進めてきているところである。3歳未満児の保育環境を整えてきたように、子育てしやすいまちを目指しているので、それが数値に現れてきているのではないかと考えている。

【松元委員】
11ページの女性の就業状況について、国からは2022年春頃に就労状況の最新データが出てくるという発表があった。先ほども話に出たが、今回の計画では古いままのデータでいくということか。

【伊藤主査】
できる限り最新のデータを載せたいが、策定時点で公表されているデータを用いるため、数値はこのままになる可能性がある。

【松元委員】
5年間のプランなので、市としての見解でも良いので、コロナの状況等入れられないか。他市町村のプランと比較した際に、古いプランと見られるのは残念だ。最新のデータが入れられないのであれば、何らかの意見書を入れるべきではないか。
また、18ページの避難所運営について、他の自治体の事例を参考にして、町内会や自主防災組織で行う取組みを何か入れられないか。

【藤岡会長】
28ページに、ジェンダーの視点からの防災の取組と書いてあるが、具体的なことが何も書かれていないのが気になる。災害を経験していない自治体住民は、避難所で何が困るのかが具体的に分かっていない。実際は、子どもを連れている母が授乳できない、トイレにも行けずに我慢をしている等があると思うが、こういった具体策な問題に対して、こういう施策をしますという言い方をしないと、何の話をしているのか分かりにくくなる。

【丸山委員】
ジェンダーの視点からの防災の取組みに関して2つある。1つ目は避難所運営や被災者支援について。防災の取組みとしては本来、計画の段階から色々な人が関わるべきで、その一例が防災会議である。プランの実施状況報告書にもあったが、防災会議の委員49名中、女性が5名である。各団体の代表が出るような会議のためなかなか難しいとは思うが、計画を立てる段階で色々な人の意見を取り入れるような仕組みが必要ではないか。
2つ目は、防災の取組の中でも今回1つの目玉でもあるアンコンシャス・バイアスがについて。例えば、東日本大震災では、女性が炊き出しに従事し無償労働であったのに、産業廃棄物の処理に従事した男性には日当が出ていたというようなことがあったようである。防災の分野にもアンコンシャス・バイアスが存在するということで、そこにも触れてほしい。

【藤岡会長】
アンコンシャス・バイアスについて言い始めると、すべて見直しをしないといけないと思うが、企業や自治体でも盛んに研修を実施しており、経営に直結するという認識に変わってきている。ただ言葉だけは知られていても、まだ驚く現実がある。それを皆が意識すること、知っていくことが非常に重要である。

【澤田委員】
議題2の基本目標の互いに個性を尊重し誰もが輝ける社会というのはどうやって作ったのか。条例第3条は、第1項から第5項まで全て互いにではなく、男女と書かれている。条例を見ると、市民や事業者の責務を明らかにして、男女共同参画を実現することが目的と書かれている。この目的の下、条例の基本理念(1)~(5)の目標を定めるということならば理解できる。基本目標自体、本当に要るのか。

【伊藤主査】
基本目標を設定するにあたり、全員が前に出て活躍するというのではなく、市民それぞれの個性や能力が生かされ、望むように生活ができる社会を目指して、誰もが輝ける社会と設定した。表現の仕方や社会像などについては、委員の皆さまから意見をいただいてより良いものにしていくための案として示している。

【澤田委員】
根拠となっている条文を基に目標を設定するのが正しいと思う。基本理念の(1)~(5)は目標なので、このままで良い。目標があるのであれば、目的もどこかに表記しないといけないのではないか。目的が明確でないと、目標は何のために実現するものなのかが分からなくなってしまう。それが、条例第1条「もって男女共同参画社会を実現することを目的とする。」なのではないか。このままだと、目標と条例の目的が繋がらないので、表記の仕方には疑問がある。

【吉村課長】
澤田委員の御意見のとおり、条例の目的は男女共同参画社会の実現である。現行のプランでは、基本目標にも男女共同参画社会の実現が入っており、サブタイトルとして誰もが輝き個性を尊重する社会をめざしてと入れていた。これは、柔らかい表現にすることによって、男女共同参画をよく知らない人にも目指すべきものを理解してもらおうという意図があった。そのため、新しいプランの基本目標にも入れている。澤田委員の御意見のように、計画上も男女共同参画の実現が目的といったような表現であるべきという意見もごもっともである。他の委員の皆様にも意見をいただき、全面的に見直していければ良いと思っている。

【鈴木委員】
プランを策定するにあたり、春日井市独自のものを作るという観点からすると、社会という言葉がなじまないのではないか。社会という言葉を春日井に置き換えて、基本目標は互いに個性を尊重し誰もが輝ける春日井のように、春日井がこう考えているということをもっと出していった方が良いのではないか。

【水谷委員】
男女という性にとらわれない人も出てきているので、互いによりも個々の個性を尊重するという表現の方がしっくりくると思う。

【藤岡会長】
基本目標や基本理念については、はっきりしない言葉が並んでおり、目的と目標の繋がりが見えない。何に基づき、何の目的のために、何を実現したいのかを整理して、抱える問題に対し春日井はこう取り組んでいくとしたが良いと思う。
また、男女共同参画という言葉は、今は様々なところで、ダイバーシティ推進という言葉に置き換わっている。男女という表現を最初に持ってくることによって、置き去りにしてしまう人が出てくるということがある。「互いに」という表現をしても、少し苦しい部分である。言葉の使い方と計画の構造の整理をすると良いと思う。

【丸山委員】
日本ではLGBTという表現が使われているが、世界的にはLGBTQという言葉が一般的であるということを聞いたことがある。それを踏まえて、春日井市のプランの中ではLGBTとするのか、LGBTQとするのか検討してほしい。

【伊藤主査】
LGBTについては色々な表現があるが、昨年の市民意識調査ではLGBTという表現としたので、それと合わせてある。どのような表現がふさわしいかについて、検討の必要があると考えている。

【藤岡会長】
LGBTQやLGBTQ+など他にも表現がある。その中でなぜLGBTQを採用したのかという話にもなるので、あえてLGBTと表現する方法もあるのではないか。検討した結果、こう決めたということを残しておけばよいと思う。

【丸山委員】
春日井市の取組における成果と課題についてでは、保育環境の整備が進んでいるとあるが、市民意識調査の自由記述欄を見ると、そうとも言えないと思う意見も多くある。データとしては、3歳児の保育の人数が増えている等確かに進んでいる部分もあるが、不十分な部分を課題として拾っていないものもある。全てを記載することは難しいと思うが、課題を皆で検討していきたいと思う。

【井口委員】
春日井市の合計特殊出生率の高さを分析すると、男女共同参画社会の実現がなされつつあるのではないかと思う。子育てするなら春日井市に行くと良いという情報が市外にも流れているのではないか。プランの内容を実現し、より幸せな生活ができるようになることが、男女共同参画社会の実現に近づくことになると思う。目的・目標は大事だが、春日井市の進んでいるところを分析し、いい社会につながっていくということをもっと具体的に示すとプランがより一層効果的になるのではないか。

【藤岡会長】
良くないことの分析をするだけではなく、良い部分の要因分析も必要だと思う。合計特殊出生率の他に、ファミリーフレンドリー企業の協力体制も素晴らしい。こういうポジティブな面を分析していくと、何が実現できているかが見えてきて、春日井がいいまちだということが分かると思う。

【水谷委員】
連合愛知では、4月から各市町の社会福祉協議会と連携して災害ボランティアに協力していこうという取組みをしている。社会福祉協議会のボランティアの登録者が少なくなってきているが、退職した人がボランティアに登録しているという現状がある。ボランティア登録している女性の割合を一度調べ、災害ボランティアに必要な勉強の場に参加して登録してもらえれば、災害時にボランティアセンターの立ち上げに協力してもらえるという話になっている。今後、社会福祉協議会との連携や春日井市との連携を進めて災害時の体制を作れればと思っている。

【丸山委員】
骨子案6ページにSDGsについての記載があるが、施策の体系のどれに該当しているのか記載するとどうか。

【藤岡会長】
SDGsについてはその通りだと思う。具体的に記載するといい。

(3)その他

【伊藤主査】
今後の審議会の日程について説明、今回の審議会の中で出しきれなかった意見については、後日メールで提出してもらうよう案内。

 

上記のとおり令和3年度第1回春日井市男女共同参画審議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び出席委員1名が署名する。

令和3年12月8日

会長 藤岡 伸子
署名人 山内 益恵

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市民生活部 多様性社会推進課

電話:0568-85-4401
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