伝藤原忠家筆柏木切(楳子内親王男女房歌合)
伝藤原忠家筆柏木切(楳子内親王男女房歌合)
でんふじわらのただいえひつかしわぎぎれ(ばいしないしんのうおとこにょうぼううたあわせ)
平安時代 25.1×7.2センチメートル
二十巻本歌合の断簡で、もとは巻子本(かんすぼん)。二十巻本歌合は堀河天皇(在位1086~1107)のころ編集されたもので、200回以上の歌合で詠まれた和歌を載せている。清書ではなく原稿として書かれているので、早く書かれている。大勢の人が分担して書いているが、そのうち藤原忠家筆と伝えられるものは「柏木切」と、忠家の子である藤原俊忠(ふじわらのとしただ)筆と伝えられるものは「二条切(にじょうぎれ)」と呼ばれている。この断簡は、後朱雀天皇(1009~1045)の娘、楳子内親王が主催した男女対抗の歌合の一部である。
いなりやまこえくる人のすきずきはいづれまこ
とのしるしなるらむ
右 雑色ゆきざね
あさまだきかすみこめたるいなりやまゆふ
つげてこそとふべかりけれ