伝藤原佐理筆通切
伝藤原佐理筆通切
でんふじわらのさりひつとおしぎれ
平安時代 23.5×15.5センチメートル
古今和歌集の断簡で、もとは冊子本。ふるいの目のような模様のある紙に書かれている。ふるいのことを「とおし」とも言うので、「通切」と呼ばれる。通切はもとの冊子本の紙の裏面である。表面には銀色の筋があるので「筋切(すじぎれ)」と呼ばれている。藤原佐理筆と伝称されているが、「元永本(げんえいぼん)古今集」など同筆の古筆がいくつかあり、藤原行成(ふじわらのこうぜい)の子孫の定実(さだざね)が筆者であると考えられている。
くれのおも 貫之
こしときをまちつゝをればゆふぐれの
おもかげにのみみえてこひしき
唐萩 よみ人しらず
うつせみのからはぎごとにとゞむれど
たまの行へをみぬぞかなしき
かはなぐさ ふかやぶ