伝久我通親筆龍山切
伝久我通親筆龍山切
でんこがみちちかひつりゅうざんぎれ
鎌倉時代 18.2×15.1センチメートル
千載(せんざい)和歌集の断簡で、もとは冊子本。近世の貴族で出家して龍山と名乗った近衛前久(このえさきひさ1536~1612)が愛蔵していたことに因んで「龍山切」と呼ばれる。久我通親(1171~1227)の書と伝えられ、その真筆とは断定できないが、ほぼ同時代の書と考えられる。
やといふをきゝて中将さねか
たのあそむよりてつくろうと
て
あしひきの山ゐのみづはこほれる
をいかなるひものとくるなるらむ
といふをきゝて返事によみ侍ける
皇后宮清少納言
うはごほりあなにむすべるひ
もなればかざすひかげにゆるぶばかりを
十二月ばかりにかどをたゝき
かねてなむかへりにしとうら