伝藤原忠家筆柏木切(小野宮右衛門督君達歌合)
伝藤原忠家筆柏木切(小野宮右衛門督君達歌合)
でんふじわらのただいえひつかしわぎぎれ(おののみやえもんのかみきんだちうたあわせ)
平安時代 26.8×14.8センチメートル
二十巻本歌合の断簡で、もとは巻子本(かんすぼん)。二十巻本歌合は堀河天皇(在位1086~1107)のころ編集されたもので、200回以上の歌合で詠まれた和歌を載せている。清書ではなく原稿として書かれているので、早く書かれている。大勢の人が分担して書いているが、そのうち藤原忠家筆と伝えられるものは「柏木切」と、忠家の子である藤原俊忠(ふじわらのとしただ)筆と伝えられるものは「二条切(にじょうぎれ)」と呼ばれている。この断簡は、藤原斉敏(ただとし928~972)の子供たちが天元4年(981)に行ったなぞなぞ歌合の一部である。
左 なををとゝひよりうそぶきよだにいとはるゝ
もの
ちはやぶるかみのやりますよとなれば今日みかば
ちのおそろしきかな
右 なをはきものならべたるいのりのし
はき物をふたつならべてつとめこしつくつくぼうし
いづこなる覧
左 のいふものはき物ならべたるいのりのしは夏
のすゑ秋のはじめにこゑするくつくつ ぼうし