伝小野道風筆本阿弥切(みをすてて)

ページID 1010012 更新日 平成29年12月25日

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伝小野道風筆本阿弥切

伝小野道風筆本阿弥切

でんおののとうふうひつほんあみぎれ

平安時代 16.7×12.5センチメートル

古今集を書写したもので、近世初期に本阿弥光悦(ほんあみこうえつ1558~1637)が一巻を所有していたので、その他の断簡もすべて本阿弥切というようになった。天地17センチメートルほどの唐紙(からかみ)を張り合わせた小型の巻子本(かんすぼん)。料紙は、巻によって青・白・茶の具引地(ぐびきじ)に唐草・雲鶴・夾竹桃・牡丹などを雲母刷(きらずり)している。本品は巻第十八雑歌下の断簡で、白地に牡丹唐草文の料紙に書かれている。古来小野道風筆と伝称されているが、書風などから12世紀前半ころの遺品と考えられる。文字は小さく、筆の弾力を生かして変化を多くした優れた書跡である。京都国立博物館と宮内庁に零巻(れいかん)があるほか、40数葉の断簡の現存が確認されている。本品は、江戸時代の木版本である『本朝能書伝』に模刻されている。

みをすてゝいりやしにけむおもひより
ほかなるものは心なりけり
  むねをかのおほよりがこしよりまうできたり
  けるときにものがたりなどしはべりける
  にゆきのふりけるをみておのが思はこの
  ゆきのごとくなむつもれるといひけるをりに
  よめる
君がおもひゆきとつもらばたのまれず
我よりのちはあらじとおもへば

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